高城郡 (江原道 1919年)

高城郡の概要

高城郡（コソンぐん/こうじょうぐん）は、朝鮮半島の中東部、日本海沿岸に位置する郡です。この郡は歴史的には江原道に属し、現在では南北に分かれた地域に同名の行政区域があります。特に、北側は朝鮮民主主義人民共和国の江原道に、南側は大韓民国の江原特別自治道にそれぞれあるのが特徴です。高城郡の地理や歴史は、その自然環境や過去の政治的背景を色濃く反映しています。

地理的特徴

高城郡は、山々や河川に囲まれた自然豊かな地域です。西側には太白山脈がそびえ、特に北部には有名な金剛山（1638m）が位置しています。この金剛山は、外金剛、内金剛、海金剛といった多様な景勝地を擁しており、観光地としても知られています。一方、郡の南部には香炉峰（1296m）があります。

金剛山から流れる新渓川と、香炉峰から北へ流れる南江が合流するところには、かつての中心地である旧高城邑があります。また、南江は周辺の平野を形成し、三日浦、花津浦、松浦などの潟湖も観察できます。この地域は大韓民国の統治が及ぶ最北端でもあり、軍事境界線が近くに設定されています。

歴史的背景

高城郡の歴史は古代まで遡ります。昔は濊や高句麗の領域であり、後に統一新羅時代には高城と杆城の二つの地方官が存在しました。これにより、現在の南北の境界が形成され、韓国政府の支配地域が杆城郡、北朝鮮側が高城郡となる基盤ができました。

1914年には郡の統廃合が行われ、高城郡は一つの行政単位となりました。その後、植民地時代には金剛山の観光開発が進む中で、温泉や鉄道の整備が行われました。この地域は「朝鮮三大漁場」の一つとしてイワシ漁が盛んで、大規模な水産業が発展しました。特に長箭湾は19世紀にロシアの捕鯨業者によって捕鯨基地とされ、多くの日本人漁民も流入しました。

第二次世界大戦後、日本が敗戦を迎えると、高城郡は38度線以北に位置し、完全に北側の政権に移行しました。これによって、地域の西側は朝鮮民主主義人民共和国に、東側は大韓民国にそれぞれ帰属することとなり、現在の境界線が形作られることとなります。

高城郡年表

• - 統一新羅時代：濟州に属し、高城郡・守城郡として存在。
• - 995年：朔方道に編入され、高城郡・守城郡とされる。
• - 1018年：東界に所属する。
• - 朝鮮王朝時代：江原道に所属。
• - 1895年：旧暦閏5月、江陵府に編入。
• - 1914年：郡面併合により、郡が一つの単位に。
• - 1945年：ソ連軍の管理下に入る。

結び

高城郡はその美しい自然環境と豊かな歴史を背景に、多様な文化や伝統を有する地域です。この地域の魅力は訪れる人々に感動を与え続けています。

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