高山れおな

高山れおな：伝統と革新を織りなす現代俳句の旗手

高山れおな（1968年7月7日生まれ）は、茨城県日立市出身の俳人です。早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業後、「芸術新潮」の編集者として働く傍ら、俳句の世界に足を踏み入れました。

俳句との出会いと初期の活動

20歳の頃から俳句を作り始め、1993年に同人誌「豈」に参加。1998年には第一句集『ウルトラ』を刊行し、俳人としてのキャリアを本格的にスタートさせました。

受賞とウェブサイトの運営

2005年、第二句集『荒東雑詩』で第11回加美俳句大賞を受賞。2008年には、中村安伸とともにウェブサイト「俳句空間―豈weekly」を立ち上げ、2年間運営しました。このサイトは、若手俳人の交流と発表の場として重要な役割を果たしました。

若手俳人アンソロジーの編集

「俳句空間―豈weekly」での活動をきっかけに、筑紫磐井、対馬康子とともに若手俳人アンソロジー『新撰21』（2009年）および『超新撰21』（2010年）を編集・刊行。次世代の俳句を担う才能の発掘と育成に貢献しました。

朝日新聞俳句時評と朝日俳壇選者

2010年から2012年まで朝日新聞俳句時評を担当。2018年7月には、金子兜太の後任として朝日俳壇の選者に就任しました。当時49歳という若さでの選者就任は、俳句界の刷新を象徴するものとして注目を集めました。

句風と作品の特徴

高山れおなの句風は、古俳諧をはじめとする東西の古典への深い造詣に根ざしています。伝統的な俳句の形式を踏まえつつ、現代的な感覚を取り入れた独自の表現を追求しています。第二句集『荒東雑詩』では、すべての句に長短さまざまな前書きが付けられ、句の世界観をより深く理解するための手がかりとなっています。第三句集『俳諧曾我』は、7章と目録・開題で8分冊にしそれぞれ趣向の異なった装丁を施すという特異な造本で、俳句と本の可能性を追求した実験的な作品として評価されています。

著書

第一句集『ウルトラ』（沖積舎、1998年）
第二句集『荒東雑詩』（沖積舎、2005年）
第三句集『俳諧曾我』（書肆絵と本、2012年）
『切れ字と切れ』（邑書林、2019年）

外部リンク

詩客
俳句空間―豈weekly
* 増殖する俳句歳時記-高山れおなの句

高山れおなは、伝統と革新を融合させながら、現代俳句の新たな地平を切り拓いています。その活動は、俳句界の未来を照らす灯台として、今後ますます注目されることでしょう。

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