高山一夫 (ボクサー)

高山 一夫（たかやま かずお）

高山一夫は1936年11月11日、兵庫県神戸市に生まれた日本の元プロボクサーであり、元日本フェザー級王者です。彼は1960年代に活躍し、帝拳に所属しながらボクシングの黄金時代を築いた選手の一人として知られています。高山はその強烈な打撃力で、多くの試合を振り返ることができる選手でした。

パンチャーとしての特性

高山は特に左腕と右腕のフックを駆使した攻撃スタイルで知られ、クラウチングスタイルから繰り出す右フックは対戦相手にとって恐れられる存在でした。彼はその強打によって、軽く当たった場面でも相手がダウンするほどの威力を誇っていました。そのため、プロモーターが倍以上のファイトマネーを提示しても、彼の挑戦者を見つけることが難しいことがありました。

プロキャリアの始まり

高山は1954年12月21日、八木信吉との試合でプロデビューを果たしましたが、初戦は判定で敗北を喫しました。その後、彼は徐々に実力をつけ、1958年6月17日には日本フェザー級王座を大川寛から判定で奪取しました。これは彼のキャリアにおける大きな転機となりました。

世界挑戦と防衛戦

1960年8月29日、高山は後楽園球場でデビー・ムーアが保持する世界同級王座に挑戦しました。この試合では高山の右ストレートが思わず王者をリング外に転落させる場面もあり、観客を驚かせました。しかし、最終的には判定で敗戦。翌年の1961年8月21日には富山市で加藤光広との防衛戦が行われましたが、その日は約定のウェイトをクリアすることができず、最終的には不本意ながらも判定勝利を果たしました。

その後、高山は1961年11月13日、再び世界同級王者ムーアに挑戦しましたが、13ラウンドでダウンを喫し再び敗北。1963年3月にはOBF東洋ジュニアライト級王座を獲得した勝又行雄との試合で逆転KO負けを喫しました。

引退とその後

高山は同年7月4日、6年間で8回防衛した日本フェザー級王座を防衛戦不敗のまま返上し、その後3試合を戦った後、1963年9月30日にラリー・フェルナンドとの試合で敗北し、現役を退きました。ボクシング界から引退した後、彼は2013年9月29日に兵庫県の病院で76歳で生涯を閉じました。

戦績と受賞歴

高山のプロボクシング戦績は85戦60勝（24KO）、16敗、9分、7EXと記録され、その中には数多くの激闘が含まれています。彼は1960年度のプロ部門最優秀選手賞および年間最高試合賞、1961年度のKO賞や年間最高試合賞など、数々の賞を受賞しました。

高山一夫はその強打と試合スタイルで多くのファンに愛され、今でも日本のボクシング界に大きな影響を与え続けています。

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