高山利弘

高山利弘氏（たかやま としひろ）は、1959年4月3日に群馬県富岡市に生を受けた日本の国文学者です。現在は群馬大学社会情報学部において教授の職にあり、中世日本文学および日本文化の研究を専門分野としています。

研究者としての歩みは、まず郷里の群馬県にある県立高崎高等学校で学び、1978年3月に卒業したことに始まります。その後、千葉大学人文学部人文学科の国文学専攻に進み、1982年3月に同学部を卒業しました。さらに学識を深めるため名古屋大学大学院文学研究科へと進学し、1984年3月には修士前期課程を修了しています。博士後期課程にも進みましたが、1986年9月にこれを中途退学しています。

高山氏の主な研究テーマは多岐にわたりますが、特に軍記物語である『源平闘諍録』に関する詳細な研究を進めています。また、日本各地に伝わる説話や古い伝承を丹念に読み解くことを通じて、日本文化の特質やその形成過程を探求する研究にも重点を置いています。これらの研究は、古典文学作品だけでなく、広く民間に伝わる物語や伝承の中に日本文化の根源を見出そうとする視点から展開されています。

これまでの研究成果は、多くの著作として発表されています。特に、『平家物語』に関する業績は特筆に値します。1995年には有精堂出版より『読四部合戦状本平家物語』を刊行。さらに汲古書院からは、『校訂延慶本平家物語』シリーズのうち、巻二（2001年）、巻七（2006年）、巻十一（2009年）の校訂に携わっており、研究者にとって重要な資料の整備に貢献しています。これらの校訂本は、『平家物語』の異本研究において貴重な礎となっています。学術研究以外にも、2007年には群馬大学社会情報学部とリュブリャーナ大学文学部との交流に関する記録である『スロベニアと群馬の架け橋』を著しており、国際的な交流活動にも関心を持っていることがうかがえます。

研究活動は、所属する学会での発表や交流を通じてさらに広がりを見せています。高山氏が名を連ねる学会には、中世文学会、日本文学協会、軍記・語り物研究会といった専門性の高い学術団体があります。また、出身大学に関わる名古屋大学国語国文学会や千葉大学文学部日本文化学会にも所属しており、それぞれの場において研究成果を発表し、議論を深めています。

このように、高山利弘氏は中世日本文学、特に『平家物語』などの軍記物語や、説話・伝承を基盤とした日本文化研究において、教育と研究の両面で重要な役割を担っている国文学者です。その著作や学会活動は、この分野の研究発展に寄与しています。

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