高山勲

高山 勲（たかやま いさお）

高山勲は1942年4月8日生まれで、栃木県出身のプロ野球選手です。主に投手として知られていますが、二塁手や外野手としてもプレーしました。不遇な時期もありましたが、そのキャリアは多くの人々に影響を与えています。

来歴・人物

高山は宇都宮学園高等学校を卒業後、社会人野球の東黎工業に所属しました。宇都宮学園には、後に中日ドラゴンズで活躍し不幸にも交通事故で亡くなる加藤斌という同じく優れた投手がいました。高校時代は甲子園出場は果たせなかったものの、栃木県の代表として名を馳せました。

東黎工業では1962年の日本産業対抗野球大会に出場し、プロ入りのきっかけをつかむことになります。彼は1963年に大洋ホエールズへと入団しましたが、この時のチームは投手の層が非常に厚く、なかなか一軍での出場機会には恵まれませんでした。

しかし、1964年4月25日、ついに中日戦で一軍デビューを果たし、1965年には12試合に登板することになりました。この年の10月10日には、彼にとって唯一の先発登板が阪神戦で実現しましたが、勝敗にはつながりませんでした。

打撃投手としても重宝された高山は、球威はなかったものの、器用さを持ち合わせていたため、チーム内でも需要がありました。さらに、三原脩監督の偵察メンバーとしても活躍するなど、様々な役割を果たしました。キャリアの終焉を迎えたのは1966年で、彼はその年限りで引退を決意しました。

高山の投球スタイルはオーバースローが基本であり、ドロップ、カーブ、シュート、シンカーを主要な武器としていました。

引退後の人生

引退後は栃木県今市市（現・日光市）で実家の建具店を手伝いながら日々を過ごしていました。しかし、約2年半が経過したとき、黒い霧事件の調査が進む中で、現役時代にオートレースの八百長に関与していたとされる疑いが浮上しました。これにより、1970年4月23日に、元西鉄投手の田中勉や暴力団関係者と共に東京地方検察庁に逮捕されました。この逮捕は後に球界からの事実上の永久追放となる結果をもたらしました。

高山はこのような状況から多くのストレスに晒され、うつ病を抱えるようになります。彼の心的苦痛は深刻で、最終的には睡眠薬の過剰摂取により命を絶ってしまいました。彼の生涯は華々しいスポーツの世界から、厳しい現実に直面するものでした。

背番号

彼の背番号は56であり、1963年から1966年の間、その番号でプレーしていました。

まとめ

高山勲の人生には無くてはならない喜びと悲劇が交差しています。彼のキャリアは栃木県出身の選手たちの希望の光であり、同時にスポーツ界における厳しい現実を示す一例でもあります。彼の物語は、今もなお多くの人々の心に残っています。

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