高山登久太郎

高山 登久太郎（たかやま とくたろう）

高山登久太郎は、1928年に大阪で生まれた日本のヤクザであり、指定暴力団四代目会津小鉄会の長を務めた人物です。彼の本名は姜外秀（カン ウェス）であり、在日韓国人としての背景を有しています。高山は日本で育ち、若い頃からヤクザとしての道を歩み始めました。

幼少期と青年期

1928年、彼は大阪市東成区今里に生まれましたが、両親は韓国人であり、特異な家庭環境で育ちます。1941年の太平洋戦争勃発後、高山は徴用され、軍需工場で働くことになります。戦争が終わった1945年の夏、彼は家族と共に祖国・韓国への帰還を試みましたが、最終的に大阪に戻り、今里での生活を選びました。この選択は彼のその後の人生に大きな影響を与えることになります。

ヤクザとしての活動開始

今里での暮らしの中、高山はヤクザの中尾健太郎と知り合い、彼の下で活動し始めます。中尾の影響を受け、彼は愚連隊を編成し、地域の縄張りを守るための喧嘩を繰り返しました。その結果、警察の取り締まりにあって逮捕され、6年の懲役刑を受けることとなったのです。この刑務所暮らしでは、彼は孤独な時間を過ごし、出所後は大阪の今里に戻って活動の場を広げていきます。

中川組との関係

1950年、彼は滋賀の大津へと移り、様々な仕事を通じて生計を立てていきます。同年、朝鮮戦争が勃発し、高山は多くの仲間と共に在日韓僑自願軍を結成しました。ここで彼は中川組の中川芳太郎と出会い、彼から盃を受けることで中川組の一員となります。愚連隊の首領としての地位を築いた高山は、中川組の若頭へと昇進し、組織の中核を担う存在となりました。

組織の拡大と貢献

その後、高山は自身の組織「高山組」を結成し、活動の幅を広げました。1953年には民団東京本部に赴くも、戦争の停戦を知らされ、大津へ戻ることとなります。高山組は、様々な事業を通じて組員に給料をご提供し、地域活動にも力を入れるようになります。1986年に四代目会津小鉄会を発足させ、長きにわたってその指導者として君臨しました。

晩年と社会貢献

高山は、暴力団対策法に対して反対運動を展開し、その活動は広く知られるようになりました。彼設立の財団法人や様々な慈善活動も評価され、1989年には韓国から体育部長官表彰を受けるなど、社会的な貢献も果たしていました。しかし、1997年にヤクザからの引退を決意し、2003年には76歳でこの世を去ります。

まとめ

高山登久太郎の人生は、ヤクザとしての影響力を持ちながら、同時に在日韓国人社会に対する貢献を続けた様々な側面を持つものでした。その生涯は、社会との関わり合いを持ち続けた一人の人物の軌跡を示しています。彼の人生からは、複雑な歴史と文化的背景を学ぶことができ、今後の研究の重要なベースとなるでしょう。

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