高師重

高 師重（こう の もろしげ）

高師重は、鎌倉時代後期から南北朝時代にかけて活動した日本の武将であり、足利氏の家臣として知られています。彼は高師直の父であり、その生涯は政治的・軍事的に多くの出来事に関与してきました。

生涯

師重は、父である高師直の跡を継ぎ、足利貞氏および尊氏に仕官しました。彼の活動は、1301年12月には既に執事としての役割を果たしていたことからも明らかです。しかし、1308年には兄弟の高師行が同じく執事として活動しており、その後、1320年には再び高師重がこの地位に復帰しました。将軍家の側近として活躍する中で、彼は長幸康らとの間の相論についても裁許を下すなど、足利家内の様々な問題の解決に寄与しました。

元弘3年（1333年）までには、師重は自らの子である高師直に惣領の地位を譲りましたが、それが原因で自身の家系に確執が生じることとなります。高師直をはじめとする子孫が高氏の嫡流の立場を奪ったとされ、その影響で甥の高師秋との間にしばしば対立が見られるようになりました。特に、観応の擾乱においては、師秋が師直には加せず、直義側に与するという選択をし、師重家の内部抗争が一層深刻化しました。

『太平記』の記述によれば、建武3年または延元元年（1336年）6月に、師重は摂津の湊川で楠木正成軍を撃破した後、比叡山に立て籠もる後醍醐天皇を攻撃するための総大将となりました。しかし、ここで彼は討死してしまったとされていますが、実際にはその記述は息子の高師久に関するものであり、師重が討死したとの表記は誤りであることが指摘されています。

高師重は、康永2年または興国4年（1343年）5月24日に死去したとされています。その死は、彼の家族や足利家にとって大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。彼の生涯は、日本の歴史における一つの重要な時期を象徴しており、彼の役割は後の世代においても語られることになります。

作品と影響

高師重に関する重要な作品として、1991年のNHK大河ドラマ『太平記』があります。このドラマでは彼を演じたのは辻萬長であり、彼の生涯や業績が広く認識されるきっかけともなりました。在りし日の武将としての姿が、視聴者に感動を与えたといえるでしょう。

参考文献

高師重についての詳しい情報は、亀田俊和著『高一族と南北朝内乱』（戎光祥出版、2016年）にて更に深く探求できます。この書籍は、南北朝時代の歴史や武士の姿を知るための貴重な資料です。

高師重の影響は、彼の家族や足利家の歴史に多大な影響を及ぼし、現在でも彼に関する研究が続けられています。

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