高明 (明)

高明（こう めい、1422年 - 1485年）は、明代に活躍した官僚です。字は上達といい、広信府貴渓県を本貫とします。

生涯

1422年11月25日、高吉昌と鄒氏の子として誕生しました。幼少期、母親が病に倒れた際、高明は自らの腿の肉を切り分け、それを薬として与えたという逸話が残っており、彼の孝行心は広く知られていました。

1451年、進士に合格し、山東道監察御史に任じられました。内苑で龍舟が建造されるという情報を耳にした際には、その浪費を強く諫めました。また、大臣によって陥れられ死刑を宣告された指揮官を弁護し、釈放させたという逸話も残っています。徐州の民が役人を朝廷に訴えた際、当時の例では越訴は辺境への流刑と定められていましたが、高明は「辺境への流刑は誣告を防ぐためのものであり、今回の訴えは誣告ではない」として、刑を杖罰に軽減させました。さらに、民間にはびこる妖しい説を流布する者が、官吏によって反乱計画の誣告を受けた際には、高明が調査を行い、反乱計画が虚偽であることを明らかにし、妖言律を適用するにとどめました。

高明は河南巡撫として、60人もの属吏を降格させるなど、職務に厳格に取り組みました。また、直隷巡按として、各道からの上奏文を取りまとめ、朝廷に届けました。1458年には、他の御史たちと共に兵部尚書の陳汝言を弾劾し、投獄させました。1460年、御史の趙明らが天下の朝見を受ける官を弾劾した際、英宗の怒りを買い、上奏文を起草した者を問いただしましたが、人々が恐れて口を閉ざす中、高明は自らが書いたと名乗り出ました。この行動に対し、都御史の寇深は「連年提出される上奏文は全て高明の手によるもので、細かな理由で罪に問うべきではない」と進言し、英宗は高明の才能を認めました。石亨が処刑された際には、その関係者が多く収監されましたが、高明が連座を広げることに反対したため、100人もの人々が連座を免れました。その功績が認められ、高明は大理寺丞に抜擢されました。

1464年、南京右僉都御史に任じられました。その年の春夏に長雨が続いた際には、高明は天意を改めるために人事の刷新を求めました。また、馬を監に納入する者が1万人を超えた際には、馬の優劣を区別するよう進言しました。さらに、郎中の孫瓊、陳鴻漸、梅倫、何宜や主事の宋瑛を推薦し、彼らの抜擢を求めました。

1467年には、揚州府で塩商の反乱が発生すると、鎮圧を命じられました。彼は巨艦「籌亭」を建造し、自ら陣頭に立って督戦しました。長江沿岸には邏堡を設置して偵察を行い、反乱軍を追い詰め、鎮圧に成功しました。宦官が密売していた私塩を没収し、利害に関する十数件を上奏し、その多くが施行されました。その後、南京右僉都御史に復帰しましたが、1471年には老齢の親を養うために辞職し、帰郷しました。

1478年、高明は福建巡撫として再び起用され、上杭県の反乱を鎮圧しました。首謀者を処刑し、残りの者たちを辺境に流刑としました。上杭県の地が江西・広東に隣接し、盗賊が集まりやすいことから、分割して永定県を設置するよう進言しました。その後、病を患い、再び辞職して帰郷しました。

1485年9月19日、高明は自宅で病没しました。享年64歳でした。

脚注

『明史』巻159 列伝第47
中憲大夫都察院左僉都御史高公神道碑（何喬新『椒邱文集』巻29所収）

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