徐州

徐州の歴史

徐州（じょしゅう）は、中国の行政区分の一つで、その歴史は非常に古く、先秦時代にまで遡ります。この地域は、時代とともにその範囲や名称、管轄する地域が大きく変化してきました。以下に、徐州の歴史を詳細に見ていきましょう。

先秦時代

『尚書』禹貢篇によれば、上古の中国には九州（華夏九州）が存在し、徐州はその一つに数えられていました。当時の徐州の範囲は、おおよそ現在の山東省南東部と江蘇省の長江以北に相当するとされています。

漢代・魏晋南北朝時代

紀元前106年（元封5年）、漢の武帝が全国を13州に分割した際、現在の山東省南東部と江蘇省の長江以北にあたる地域に徐州刺史部が置かれました。後[[漢]]時代には、州治は郯県（現在の山東省郯城県）に置かれましたが、三国時代には魏によって彭城（現在の江蘇省徐州市）に移転されました。

西晋が永嘉の乱によって滅亡すると、江南を中心に東晋が成立しました。東晋は淮河以北の地を失ったため、徐州も北半分が失われ、州治は南へ移転しました。411年（義熙7年）には、州治は京口（現在の江蘇省鎮江市）にまで南下しました。南朝宋は421年（永初2年）に徐州を南徐州と改称し、残りの地域を北徐州としました。

一方、東晋と対立した五胡十六国や、南朝と対立した北朝諸国もそれぞれ徐州を設置しました。4世紀末から5世紀初頭にかけては、十六国の各政権が徐州を設置しています。

後燕は徐州の州治を黄巾固（現在の山東省済南市章丘区）に置きましたが、後に黎陽（現在の河南省浚県の東）、鄄城（現在の山東省鄄城県の北）へと移転し、その後廃止しました。南燕は徐州の州治を莒城（現在の山東省莒県）に置きましたが、その管轄範囲は現在の山東省臨朐県から黄海沿岸の浜海一帯でした。後秦は徐州の州治を項県（現在の河南省沈丘県の南）に置き、現在の河南省商丘市周辺や安徽省の一部を管轄しましたが、後に廃止されました。北魏は433年（延和2年）に徐州の州治を済陽県（現在の河南省蘭考県の東北）に置きましたが、これも後に廃止されました。

隋代

隋代初期には、徐州は3郡7県を管轄していました。607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、徐州は彭城郡と改称され、下部に11県を管轄しました。

唐代

621年（武徳4年）、唐が王世充を平定すると、彭城郡は再び徐州と改称されました。742年（天宝元年）には再び彭城郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には再び徐州の名称に戻されました。唐代の徐州は河南道に属し、彭城・沛・蕭・滕・豊・宿遷・下邳の7県を管轄しました。

宋代

宋代の徐州は京東西路に属し、彭城・沛・蕭・滕・豊の5県を管轄しました。

元代

元代には、徐州は帰徳府に属し、蕭県1県のみを管轄しました。

明代以降

1381年（洪武14年）、明によって徐州は直隷州に昇格し、南直隷に属して蕭・沛・豊・碭山の4県を管轄しました。1733年（雍正11年）、清によって徐州直隷州は徐州府に昇格し、江蘇省に属して銅山・蕭・沛・豊・碭山・宿遷・睢寧・邳州の1州7県を管轄しました。

1913年（民国2年）、府制が廃止されたことに伴い徐州府も廃止され、その府治があった場所に銅山県が設置されました。徐州会戦で日本軍に陥落した後、汪兆銘政権が銅山県に徐州市を設置し、徐州の名前が復活しました。

徐州は、その長い歴史の中で幾度となく名前や管轄地域、行政区分を変えてきました。しかし、その名前は現代にも引き継がれ、中国の歴史における重要な地域の一つとして存在しています。

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