高松吉太郎

高松吉太郎について

高松吉太郎（1901年2月 - 1990年8月14日）は、日本の鉄道愛好家であり薬剤師としても知られています。東京都を中心に路面電車に関する著作を多数執筆し、鉄道趣味の界隈において重要な役割を果たした人物です。また、鉄道友の会の発起人の一人として、会の発展に心血を注ぎました。

幼少期と教育

高松は東京市日本橋三越前に生まれ、後に牛込に移ります。学生時代にはカメラを手にし、東京市電の写真撮影を楽しみました。しかし、1923年に発生した関東大震災によって、多くの撮影した作品が失われてしまいます。その後も鉄道に対する興味は衰えず、再び撮影やコレクションに取り組みました。

薬剤師としての道

彼は1917年に薬剤師の免許を取得し、医薬品の分野でキャリアを積むことになります。高松はタカマツドラッグストアの取締役社長を務めていましたが、経営は常に妻のサポートがあったことが広く知られています。

鉄道趣味の発展

1930年代に入ると、高松は本格的に鉄道研究に取り組み始めます。1936年には東京市電に関する原稿を『鉄道趣味』に投稿し、掲載されることで本格的なデビューを果たします。1940年には同好会「つばめクラブ」を設立しますが、戦時中の影響で活動は短期間で終了します。

戦後の1946年、高松は新たに東京鉄道同好会を設立しました。この同好会は、後に1953年に交通博物館を中心に結成された交通科学研究会に合併されることになります。高松はこの過程で鉄道友の会の発起人の一人にも名を連ね、会の発展に寄与しました。

著作活動

高松吉太郎の著書は、日本の鉄道史や路面電車に関する貴重な資料として広く認知されています。主な著作品には以下のものがあります。

• - 『日本の路面電車』 (1958年、電気車研究会)
• - 『新しい日本の電車』 (1961年、鉄道図書刊行会)
• - 『写真でつづる 日本路面電車変遷史』 (1970年、鉄道図書刊行会)
• - 『日本の電車 - 写真で見る電車の80年』 (1974年、鉄道図書刊行会)
• - 『東京市電・東京都電』 (1974年、ダイヤモンド社)
• - 『東京の電車道』 (1977年、プレスアイゼンバーン)
• - 『京都市電慕情』 (1978年、プレスアイゼンバーン)
• - 『水の都の赤い電車』 (1978年、プレスアイゼンバーン)
• - 『夢軌道 都電荒川線』 (1983年、木馬書館)

これらの著作は彼の深い知識と情熱が詰まっており、多くの鉄道ファンや研究者にとって貴重なリソースとなっています。

賞と業績

高松の業績は広く認められ、1985年には運輸大臣表彰および交通文化賞を受賞しました。長年にわたる努力と情熱が、多くの人々に影響を与えたのです。

最期の時

高松吉太郎は1990年8月14日に89歳で亡くなりました。彼の人生は、鉄道愛好家としての情熱を追求し続けたものであり、今でも多くの人にその影響を及ぼしています。彼の業績と著作は、今後も鉄道趣味界において重要な位置を占めることでしょう。

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