高松宮妃癌研究基金

高松宮妃癌研究基金について

公益財団法人高松宮妃癌研究基金は、憲章に基づいてがんの撲滅を目的に設立された日本の法人です。この基金は高松宮妃喜久子により創設され、がん研究を支援し、患者の支援活動を促進することを使命としています。現在、この基金の総裁は常陸宮正仁親王が務めており、主な事務所は東京都港区に位置しています。

設立の背景

高松宮妃喜久子は、自身の母、徳川實枝子を1933年にがんで失ったことが契機となり、がん撲滅に向けた活動に参加するようになりました。彼女の悲しみの経験が、がんという病に立ち向かう決意へと変わっていきました。 戦後には、喜久子の女子学習院時代の同級生たちが中心となり、がん研究を目的とする任意団体「なでしこ会」が結成されます。この団体は、がん研究への支援を集め、将来的な患者の助けになることを目指しました。やがて、「なでしこ会」の理念に賛同する寄付が増える中で、より大規模な活動を展開するため、高松宮妃癌研究基金が設立される運びとなりました。

沿革

この基金の法人化は1968年のことです。同年、初代総裁として宣仁親王妃喜久子が就任し、その後は多くの重要な活動が展開されました。1971年には機関紙『CANCER』が創刊され、がんに関する最新の研究や情報が広く共有されるようになりました。

2001年には、寛仁親王が第2代総裁に就任し、前総裁の喜久子は名誉総裁に任命されました。その後、喜久子は2004年に薨去され、2010年には公益財団法人への移行が行われました。更に、2012年には第2代総裁の寛仁親王も薨去し、常陸宮正仁親王が第3代総裁としての役割を引き継ぎました。

高松宮妃癌研究基金学術賞

この基金は、がん研究分野での顕著な業績を讃えるために、「高松宮妃癌研究基金学術賞」を設立しています。この賞は、がんに関する研究の成果を広く認識させることを目的としており、多くの研究者がその栄誉を受けています。1985年には、京都大学名誉教授である吉田修氏がこの賞を受賞し、彼の研究により泌尿器腫瘍学の分野で大きな進展がありました。

このように、高松宮妃癌研究基金は、がん研究の重要性を常に深く考え、未来の患者のために取り組んでいます。今後も、研究や支援活動を通じて、がん撲滅に向けた貢献を続けていくことでしょう。

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