高校生制服対抗ダンス甲子園

高校生制服対抗ダンス甲子園：熱狂を生んだ伝説のダンスバトル

「高校生制服対抗ダンス甲子園」は、1990年から1991年にかけて日本テレビ系のバラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』内で開催された、高校生を中心としたダンスコンテストです。通称「ダンス甲子園」として知られ、1991年度の新語・流行語大賞大衆部門で銅賞を受賞するなど、社会現象を巻き起こしました。この企画は、単なるダンスコンテストにとどまらず、多くのダンサーや芸能界で活躍する人材を輩出した、伝説的なイベントとして語り継がれています。

大会概要とエピソード

応募資格には「高校生であること」が明記されていましたが、実際にはダンス人口の不足から、番組側がスカウトした者が高校生と偽って参加するケースも多く見られました。当初は学校制服や部活動に関連する衣装での参加が義務付けられていましたが、次第にその規定は曖昧になっていきました。この自由な雰囲気も、大会を盛り上げた一因と言えるでしょう。

主な出場チーム

LL BROTHERS|LL_BROTHERS

• - 第1回・第2回優勝。ダンス甲子園の象徴的存在。第1回出場時、兄はすでに社会人であったが、圧倒的なダンススキルで観客を魅了しました。

CLUB GANJA

• - 第1回準優勝。ヴォーギングをいち早く取り入れた男性チーム。その斬新なスタイルは、当時のダンスシーンに大きな影響を与えました。

WEST FAST

• - 第1回3位。リーダーの服部純二は派手なメイクと「そうなっちゃう」という口癖で人気を集めました。メンバーチェンジ後、MAKE UP TRIPSと改名。服部の父親の個性的な容姿も話題となりました。

れいかんやまかんとんちんかん

• - 第2回準優勝。田中傑幸（リーダー）、永田雅規、竹原世連、小笠原秀春で結成。竹原は怪我で第2回決勝を欠場。チーム名の由来は『霊感ヤマカン第六感』と『ついでにとんちんかん』。田中はダンス番組『DADA L.M.D.』で入賞経験があり、ZOO jr入りの誘いを断って本大会に出場しました。

IMPERIAL

• - 第2回3位、第3回優勝。初参加時は福岡のダンスカンパニーIMPERIAL JB'sの選抜メンバーで構成。後に広島のブレイクダンスチームA.S.T BreakersのMARIOとKIDが加入し、さらにパワーアップしました。

SCRAP&TRASH

• - 第3回準優勝。牧野博文（現デザイナー兼アパレル経営者）をリーダーとする9人組の男子ロックダンスチーム。その力強いパフォーマンスは、観客を圧倒しました。

D or D

• - 第3回3位。元IMPERIAL JB'sのプロダンサー佐久間浩之がスカウトした11人組の紅一点ヒップホップチーム。決勝で女性メンバーが変更されました。中心メンバーは川野陽之介、SHIMURA、Mankey、曽山哲人（著述家、サイバーエージェントダンス部創始者）。チーム名はDie or Danceの略です。

アジャコング＆戸塚ヨットスクールズ

• - 水泳帽と競泳用水着がコスチュームの山本太郎（メロリンキュー）が、コミカルなパフォーマンスで旋風を巻き起こしました。チーム名はアジャコングと戸塚ヨットスクールに由来します。

FIRST IMPRESSION

• - リーダーの加藤由美子（イマキタ加藤）は、アナーキーな言動で人気を集め、後にリポーターやサブ司会も務めました。

フライングモンキー＆飼育係

• - 吉本新喜劇のギャグを取り入れたコミカルなダンスが特徴。2代目リーダーの鹿島優（コケコッコー鹿島）のモヒカン刈りが話題となりました。

どすこい同好会

• - 相撲のまわし姿で踊る2人組。第1期メンバーのまわしが外れるのが定番でした。リーダーの本多良平は後にドラマ『青春の影』に出演しました。

MIAMI FACE

• - 第2回予選落ちのCAPTAIN SUCKの再編チーム。「ピテクス」「ゴースト」というオリジナルの高速ダンスが特徴。当時のダンス業界ではオリジナルが軽視されていたため、箔付けのために「マイアミ発祥」と設定されました。

SUNDARA'S（すんだらず）

• - ビールマンスピンポーズが見せ場の女子3人組。

JUNX（ジャンクス）

• - ヴォーギングを取り入れた女子3人組。メンバーのうち2名はハーフ（インド系とフィリピン系）です。

T-BOYS

• - 広沢俊、古川卓、有川貞臣のアクロバティックな演技が特徴。広沢は後にジャビットのスーツアクターとして活躍。古川と有川はダンススタジオを設立し、多角経営を展開しています。有川は以前、ダンスボーカルグループTOKYO D.として台湾で人気を博し、ソロデビューも果たしました。

SLAM-G

• - 宮地大輔（Daisuke "DAIS" Miyachi）と大橋武治（TAKE-G）で結成。後にKOJIとCHINOが助っ人として参加。宮地は音楽プロデューサーとして活躍し、田原俊彦をプロデュースしました。大橋は歯科医に転業。KOJIはZOOの初期メンバーを経て、J Soul Brothersの前身に参加。CHINOはMAXのNanaと結婚しました。

お笑いマンガ道場's

• - 笑点、11PM、ルパン三世など、ダンス曲ではない番組のテーマ曲を使用した男子2人組。

Jack of All Trade

• - 女性DJと男性ダンサーによる4人組ユニット。Ta-Bo-はロックダンスチームCO-IN LOCKERSのメンバーとしてJAPAN DANCE DELIGHTで優勝。ポッピングダンスチームO.G.Sにも参加しました。

関連楽曲

• - ヘヴィ・D & The Boyz『Now That We Found Love』
• - C+C Music Factory『Gonna Make You Sweat (Everybody Dance Now)』
• - ワイルド・チェリー『Play That Funky Music』

関連人物

• - テリー伊藤：プロデューサー、発案者
• - 高須信行：ディレクター、演出
• - M.C.ハマー：1991年3月の来日公演時に出場者たちの訪問を受けた
• - みずと良：俳優。ダンサー時代に出場歴がある。

使用会場

• - 東武第4有明ビル（旧MZA有明）
• - よみうりランドオープンシアター East
• - 片瀬西浜海水浴場「江ノ島元気が出るハウス」前特設会場
• - 近藤産興敷地内倉庫（名古屋予選）

映像作品

• - VHS「ダンス甲子園」全4巻（EAST SIDE、WEST SIDE、FUNKY SIDE、BREAK SIDE） 1991年 VAP

脚注

この大会は、単なるダンスコンテストを超え、若者たちの熱意と創造力が爆発する場でした。その影響は大きく、現在でも多くのダンサーやエンターテイナーが、この大会での経験を語り継いでいます。

関連項目

• - 24時間テレビ 「愛は地球を救う」#高校生ダンス甲子園：同企画の復活版。
• - 日本高校ダンス部選手権：フジテレビ他主催。2008年開始。2022年大会から正式な通称をダンス甲子園とした。
• - 全国高等学校ダンス部選手権：エイベックス主催。2013年開始。審査員としてテリー伊藤が参加。
• - 全日本高校・大学ダンスフェスティバル：1988年開始。一部メディアがダンス甲子園と称することがある。
• - 甲子園の名がつく高校生大会一覧

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