11PM

深夜の革新番組『11PM』

『11PM』（イレブン・ピーエム）は、日本テレビと読売テレビによって制作され、1965年11月8日から1990年3月30日まで約24年半にわたり放送された日本初の「深夜お色気番組」です。この番組は生放送の形式で、視聴者に新しいエンターテインメントの形を提供しました。

番組の概要

正式名称は『WIDE SHOW 11PM』であり、略して「イレブン」や「イレピー」と呼ばれることもありました。当初は視聴率が芳しくなかったため、番組管理者は視聴者層を広げるためにコンテンツの変更を余儀なくされました。毎週の放送は、日本テレビが月・水・金曜、よみうりテレビが火・木曜にそれぞれ担当し、司会者には大橋巨泉や愛川欽也が名を連ねました。特にお色気企画と硬派な社会問題が混在し、多様な視点を提供していました。

放送回数は、東京イレブンで6095回、大阪イレブンで2530回に達し、総計8625回という膨大な量を誇っています。最高視聴率は1973年12月の「東西ストリップ合戦」で、48パーセントを超えました。

番組の特徴

『11PM』には多彩なコーナーがありました。木曜日の放送では各地の名物や風俗を探求する企画が行われ、金曜日には釣りや麻雀といった週末に向けた情報が提供されました。また、1972年からは土曜日に名古屋テレビ制作の放送が追加され、新たなエンターテインメントに挑戦しました。

社会的な影響と批判

この番組は当時の社会において賛否両論があり、PTAや婦人団体からは批判の声が多く寄せられました。特に「低俗番組」との烙印を押され、子供に見せたくない番組ランキングの常連でもありました。政治的な非難も受け、1975年には共産党から「ポルノ番組」として攻撃されました。しかし、その一方で寺山修司や井上ひさしなどの文化人からは高く評価され、番組の独自性が支持を受けた一因でした。

オープニングとエンディング

番組のテーマ音楽は、シルエットのラインダンサーが踊るアニメーションに合わせて流れ、特有の印象を持っていました。音楽は三保敬太郎が手掛け、様々なバージョンが存在していました。オープニングでは、時計が進みながら番組のタイトルが現れる演出がなされ、視聴者に強いインパクトを与えました。

多彩な企画と収録形式

『11PM』の内容は、時事問題からお色気企画、音楽プログラムまで多岐にわたりました。「巨泉・考えるシリーズ」では、社会問題を深く掘り下げ、一方で「裸の報告書シリーズ」などお色気企画も人気を博しました。その過程で、視聴者参加型のコーナーや特別企画も展開され、多くの新しい試みが為されました。

最後に

『11PM』は、深夜番組の歴史に新たなページを加え、視聴者と社会に多大な影響を与えた重要な番組でした。終了から1999年には「11回忌法要スペシャル」が放送され、番組の歴史を振り返るイベントとして多くの人々に知られています。エンターテインメントの可能性を広げたこの番組の原点として、今も根強い印象を残しているのです。

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