高橋のぼる

高橋のぼる氏は、1964年11月8日生まれの日本の男性漫画家です。千葉県野田市出身で、1988年に『ビッグコミックオリジナル増刊』掲載の『強引（ゴーイング）'マイウェイ』でデビューしました。デビュー前後の活動は多岐に渡り、漫画家としてのキャリアを積む傍ら、楳図かずお氏のアシスタントとして、ネームの描き方、ペンの入れ方、着彩といった漫画制作の基礎を学びました。同時にインテリアの専門学校でパースの勉強をするなど、漫画家としての技術向上に励んでいました。

高橋氏の作品は青年漫画誌を中心に発表されており、初期の作品として『恋するもも』があります。その後も精力的に作品を発表し続け、1998年には『健康師ダン』が映画化されるなど、早くから注目を集めていました。特に、非合法カジノを題材とした『リーマンギャンブラーマウス』は、作中に登場するヒロインの描写が話題となり、一部では「女体盛り漫画」と評されることもありました。

2005年8月からは『週刊ヤングサンデー』で『土竜の唄』の連載を開始、同誌休刊後は『ビッグコミックスピリッツ』に移籍して連載を継続しています。この作品は、2014年に第59回小学館漫画賞一般向け部門を受賞するなど高い評価を獲得しており、2014年、2016年、2021年には実写映画化もされています。さらに、『土竜の唄』の外伝作品として、『土竜の唄外伝 狂蝶の舞』も連載されました。

『土竜の唄』以外にも、様々な作品を発表しています。2009年12月からは『ビジネスジャンプ』で『阿呆鳥の唄』の連載を開始。こちらはシリーズ読み切り作品からの連載化という経緯を持っています。その他、複数の雑誌で連載作品や読み切り作品を発表し、幅広い題材と作風で読者を楽しませています。

個展への参加や他の漫画家との交流なども盛んで、2015年には『月刊！スピリッツ』創刊6周年記念原画展に参加、2016年には高橋留美子氏から絶賛された短編集『どてっぱら』を刊行しています。また、熊本復興支援イベントへの参加や、他の漫画家とのコラボ作品なども発表しており、その活動は漫画の枠を超えた範囲にも広がっています。

『鉄の警察』（作画：黒江ゆき）といった漫画原作作品や、『モンスターストライク展』への参加、映画試写会への参加など、漫画家としての活動以外にも、様々なイベントやプロジェクトに関わっています。さらに、漫画賞の審査員を務めるなど、業界への貢献も続けています。

2019年には『週刊ヤングジャンプ』40周年記念企画として創設された「賞金総額最大1億円40漫画賞」の審査員も務めました。また、『最強の弁護士』を連載、2024年には『グランドジャンプ』で『カルネアデスの乱心』の集中連載を開始するなど、現在も第一線で活躍を続けています。

高橋氏の作風は、師匠である楳図かずお氏の影響を強く受けていると本人が語っています。実際、長らく楳図氏と同じカブラペンを使用していたことからも、その影響の深さが伺えます。しかし、高橋氏自身は、読者には両者の画風の違いがはっきりと見て取れるだろうとしながらも、自身の中では楳図氏の画風をかなり継承していると考えているようです。

膨大な作品リストには、『恋するもも』、『駅員ジョニー』、『シスターまりん』、『健康師ダン』、『土竜の唄』、『阿呆鳥の唄』、『リーマンギャンブラーマウス』など、多くの連載作品、読み切り作品、そして漫画原作作品が含まれています。さらに、イラストレーションやアンソロジーへの参加、他作家とのコラボレーションなど、その活動は多岐に渡り、漫画家としての才能を様々な形で発揮し続けています。

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