高橋信行 (地方公務員)

高橋 信行

高橋 信行（たかはし のぶゆき）氏は、1945年に日本に生まれた元地方公務員です。東京都庁において長年にわたり行政に携わり、要職を歴任しました。

経歴

東京大学経済学部で経済学を学び、1970年に卒業。同年、東京都庁に入庁し、公務員としてのキャリアをスタートさせました。

都庁では、まず財務局の予算第二課長として、東京都の財政計画や予算編成の根幹に関わる業務に携わりました。その後、都税の徴収を担う主税局の徴収部長を務め、税務行政の執行に貢献しました。さらに、都庁全体の組織運営や人事管理などを所管する総務局の行政部長として、内部管理体制の強化に尽力しました。

1999年には、東京都の政策立案や広報活動を担う政策報道室の理事に昇任。都政の重要な方針決定プロセスや、都民への情報発信において中心的な役割を果たしました。

2000年には、都民の文化振興、生活向上、消費者行政などを所管する生活文化局の局長に就任。都民の日常生活に密着した幅広い分野の行政を統括しました。

2002年からは、東京都の港湾開発、維持管理、国際貿易の促進などを担う港湾局の局長を務めました。東京港の機能強化や臨海部のまちづくりといった、都市の基盤整備に関わる重要な業務を指揮しました。

都庁退職後の活動

都庁での局長職を終えた後も、高橋氏は様々な公的機関や関連団体で重要な役職を務めました。

2003年には、都民への住宅供給や都市再生事業を担う東京都住宅供給公社の副理事長に就任し、住宅政策の実行に携わりました。

2004年には、公営競技である競馬・オートレース事業などを運営する東京都競馬株式会社の常務取締役に就任。特に競馬・オートレース事業の運営および施設の営繕部門を担当し、公営競技の健全な運営と環境整備に貢献しました。

2006年には、建設工事から発生する副産物のリサイクルや適正処理を推進する建設資源広域利用センターの代表取締役社長に就任。資源循環型社会の構築に向けた取り組みを牽引しました。

その他の公的な役職

これら主要な役職の他にも、高橋氏は幅広い分野で公的な活動を行いました。

行政書士の試験研究や運営に関わる行政書士試験研究センターの理事を務め、資格試験制度の信頼性維持に貢献しました。また、地域の情報化促進を目的とする日本地域情報振興協会の顧問として、地域社会の発展を支援しました。

東京都内の私立学校への助成や振興策について審議する東京都私学助成審議会の会長を務め、私学教育の振興に寄与しました。学術分野においては、中央大学大学院経済学研究科で客員教授として教鞭を執り、後進の指導や研究活動に貢献しました。

さらに、内閣府に設置された公益認定等委員会では参与を務め、公益法人制度の適正な運営や改革に関与しました。

受章

長年にわたる地方公務員としての功績や、都庁退職後の各分野での貢献が認められ、2016年には瑞宝小綬章を受章しました。これは、国及び地方公共団体の公務、または公共的な業務に長年従事し、成績を挙げた人物に対して授与される勲章です。

まとめ

高橋信行氏は、東京都庁における財務、税務、総務、政策企画といった内部部門から、生活文化、港湾といった都民サービスやインフラ関連部門まで、幅広い行政分野で経験を積み、局長クラスの要職を歴任しました。さらに、都関連の公営企業、資源循環事業、学術機関、内閣府の委員会など、多岐にわたる組織で指導的な役割を果たし、その貢献は瑞宝小綬章の受章によっても称えられています。

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