高橋卓巳

高橋 卓巳（たかはし ともみ）

高橋卓巳は、1956年1月29日生まれの日本の陸上競技選手で、特に棒高跳で知られています。彼は、現役時代の報道や文献で「高橋卓己」と表記されることが多く、2015年現在でもその名で触れられることがありました。高橋は香川県三豊郡大野原町（現在の観音寺市）出身で、陸上競技の道を歩むことになります。

経歴

高橋は香川県立三豊工業高等学校に在籍している1973年に、全国高等学校総合体育大会（インターハイ）の棒高跳で準優勝に輝き、陸上競技のトップ選手としての片鱗を見せました。その後、中京大学を卒業し、香川県の教職員として働きますが、陸上競技への情熱は冷めていませんでした。

1978年、高橋は日本陸上競技選手権大会で初めて優勝を果たしました。この大会で得た自信を胸に、バンコクで開催されたアジア大会の棒高跳にも出場し、当時の自己ベストである5m10を記録して金メダルを獲得しました。これは、高橋にとって初の国際大会での栄光であり、その後の競技人生に大きな影響を与える出来事でした。

1980年には、日本選手権で2年ぶりの2回目の優勝を果たします。しかし、同年のモスクワオリンピックに日本がボイコットをする影響で出場できなかったことは、彼にとっての大きな痛手でした。それでも、同年10月には第35回国民体育大会で5m43を記録し、ついに日本記録を更新しました。これは彼のキャリアにおける重要なマイルストーンとなりました。

1981年には、再び日本選手権で優勝し、2年連続で3回目の栄冠を手にしました。さらに1982年、ニューデリーでのアジア大会では5m30を跳躍し、2大会連続で金メダルを獲得します。この成績により、彼はアジアのトップ選手としての地位を確立しました。

1983年には、日本選手権で4回目の優勝を果たし、ヘルシンキでの第1回世界陸上競技選手権大会に参加しました。ここでは5m25を記録し、19位という結果でしたが、国際競技での経験は高橋の技術向上に寄与したでしょう。

1984年、高橋は5m53を跳び、自己最高記録の更新とともに、5年連続7回目の日本新記録を達成しました。そして同年、彼は再び日本選手権で優勝し、ロサンゼルスオリンピックへの出場権を獲得します。この大会では、予選で5m30を記録して決勝へ進出しましたが、決勝では記録を残せず12位という結果に終わりました。

高橋の競技人生は、多くの困難や挫折があったものの、数々の栄光を手にし、特に日本陸上競技界において重要な役割を果たしました。彼の成果は、次世代の選手たちへの貴重な遺産となっています。

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