高橋宏明 (柔道)

高橋 宏明（たかはし ひろあき）

高橋宏明は、1976年4月12日に東京都で生まれた日本の柔道家で、現在は七段の段位を持つ。彼の柔道スタイルの特徴として、内股や大外刈といった技を得意としている。現役時代には、アジア選手権での優勝や全日本選手権においてベスト8に入るなど、数多くの成績を残した。引退後は、講道館や母校の中央大学で指導者として活動を続けており、柔道の普及にも寄与している。また、彼の娘である高橋瑠璃は、2019年に世界ジュニア78㎏超級で優勝するという業績を成し遂げている。

経歴

高橋は東京都江戸川区で育ち、国士舘中学校・高等学校を経て中央大学に入学した。当時、中央大学の柔道部は津沢寿志監督の指導のもとで強化が進められており、彼の入学時から全日本学生優勝大会でも常に上位に食い込む模様を見せていた。個人戦でも、大会での成績は目覚ましく、1995年と1996年には全日本学生体重別選手権で3位、1997年には決勝に進出し日本大学の選手を破って優勝を収めた。

卒業後、高橋は宮崎県延岡市にある強豪チーム・旭化成に入社し、同期の選手たちとともに主力選手として日々の練習に励んだ。彼は旭化成の柔道部が全日本実業団体戦で4連覇を達成するのに大きく貢献した。個人としても全日本選手権に九州代表として8年連続出場し、さらに講道館杯での三度の優勝という安定した成績を収めたことが特筆できる。

高橋は185cm、130kgの体格を活かし、外国人選手とも互角に戦った。1999年と2005年のアジア選手権ではメダルを左右し、フランス国際や嘉納杯（2006年）の試合でも好成績を収めている。特に2006年の嘉納杯準決勝では、怪力で知られる欧州王者を倒した試合が印象深い。

しかし、技の出が遅れることも影響し、試合が膠着してしまうことも多く、指導ポイントを取られる場面も見られた。引退後は、篠原信一や棟田康幸、鈴木桂治といった新世代選手の台頭に伴い、世界選手権やオリンピック出場の機会はなかった。2007年11月の講道館杯にベスト8入りしたのを最後に競技現役を退き、その後は旭化成のグループ会社で業務用品販売の営業職として活動を開始し、東京に移ることとなった。

現在、高橋は旭化成での営業活動に加えて、講道館本部での指導員や母校の中央大学柔道部のコーチとしても活躍を続けている。彼は柔道の魅力を次世代に伝えるために、多くの時間を指導に費やしている。

主な戦績

• - 1995年 - 全日本ジュニア選手権（95kg超級）優勝
• - 1996年 - 全日本学生体重別選手権（100kg超級）3位
• - 1997年 - 全日本学生体重別選手権（100kg超級）3位
• - 1998年 - 全日本学生体重別選手権（100kg超級）優勝
• - 1998年 - アメリカ国際大会（100㎏超級）優勝
• - 1998年 - カナダ国際大会（100㎏超級）優勝
• - 1998年 - 世界学生柔道選手権（100㎏超級）準優勝、団体準優勝
• - 1999年 - アジア選手権（100kg超級）優勝
• - 2000年 - 講道館杯（100kg超級）優勝
• - 2001年 - 東アジア大会（無差別級）優勝
• - 2001年 - フランス国際（100kg超級）3位
• - 2001年 - 講道館杯（100kg超級）準優勝
• - 2002年 - 講道館杯（100kg超級）優勝
• - 2002年 - ロシア国際大会（100㎏超級）3位
• - 2003年 - 嘉納杯（100kg超級）準優勝
• - 2004年 - 全日本選抜体重別選手権（100kg超級）3位
• - 2004年 - 講道館杯（+100 kg）準優勝
• - 2005年 - アジア選手権（無差別級）準優勝
• - 2005年 - グルジア国際大会（+100kg）3位
• - 2005年 - エストニア国際大会（+100㎏）3位
• - 2005年 - 嘉納杯（無差別級）3位
• - 2005年 - 全日本選抜体重別選手権（100kg超級）準優勝
• - 2005年 - 講道館杯（+100 kg）優勝
• - 2006年 - 嘉納杯（100kg超級）準優勝
• - 2006年 - 全日本選抜体重別選手権（100kg超級）3位
• - 2006年 - 講道館杯（+100 kg）3位
• - 2007年 - 太平洋選手権（無差別級）優勝

関連項目

• - 柔道家一覧
• - 中央大学の人物一覧

外部リンク

• - 高橋宏明 - JudoInside.comのプロフィール（英語）

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