高橋幸二 (野球)

高橋 幸二

高橋 幸二（たかはし こうじ）は、1970年2月26日に岩手県釜石市で生まれた日本の元プロ野球選手です。主に投手としてプロ入りしましたが、キャリアの途中で野手への転向も経験しました。現役引退後も野球に携わり、国際協力の分野でもその経験を活かしました。

プロ入り前

地元の盛岡工業高等学校に進学した高橋氏は、野球部のエースピッチャーとしてチームを牽引しました。マウンドでの活躍に加え、打者としても非凡な才能を発揮。高校通算で20本塁打を記録するなど、投打にわたる能力が高く評価され、プロ球団からの注目を集める存在となりました。

中日ドラゴンズ時代

1987年のプロ野球ドラフト会議において、中日ドラゴンズから6位指名を受け、プロの世界へ足を踏み入れました。入団決定後に行われた記者会見では、「早く一軍に上がって星野監督に殴られたい」というユニークな発言を残し、当時の野球ファンの間で大きな話題となりました。これは、厳しさで知られる星野仙一監督のもとで成長したいという、若さゆえの意気込みの表れとも受け取られました。

プロ入り後の背番号は「52」に決まり、1988年から現役引退の1992年までこの番号を背負いました。

プロでのキャリアをスタートさせた高橋氏は、将来への期待を込めて海外での研修も経験しました。1989年には、アメリカ合衆国のMLBルーキーリーグに所属するガルフコースト・ドジャースへと野球留学しています。これは、当時の日本の若手選手にとって貴重な異文化での野球経験の機会であり、自身のスキルアップを目指すものでした。

日本に戻った後、1990年にプロ初の一軍登板を果たしました。初登板は同年8月30日に広島市民球場で行われた対広島東洋カープ戦で、9回表から3番手としてマウンドに上がり、1イニングを無失点に抑えるという内容でした。この年は中継ぎとして6試合に登板しましたが、残念ながら白星を挙げることはできませんでした。

投手としての成績が伸び悩んだためか、球団は高橋氏の高校時代の打者としてのポテンシャルに注目しました。そして、1992年には内野手へのコンバートを決断します。しかし、野手としての才能をプロの舞台で開花させることは難しく、一軍で内野手として出場する機会は訪れないまま、同年オフに現役からの引退を表明しました。

選手としてのキャリアは決して長いものではありませんでしたが、その間、背番号52を背負い、わずかではありますがプロの一軍マウンドも経験し、ポジション転向という大きな挑戦も行いました。

引退後

プロ野球選手としての現役生活にピリオドを打った後も、高橋氏は野球界との繋がりを持ち続けました。数年間は中日ドラゴンズの打撃投手としてチームをサポートし、後進の育成や練習に貢献しました。

その後、野球界から一度離れた時期を経て、2016年からは国際協力機構（JICA）のシニア海外ボランティアとして新たな活動を開始しました。ブラジルに派遣され、現地の青少年を対象とした野球指導にあたりました。自身の野球経験を活かし、異国の地で野球の普及と発展、そして子どもたちの健全な育成に尽力したことは、選手時代のキャリアとは異なる形で社会に貢献する素晴らしい活動と言えるでしょう。

短いプロ野球人生ではありましたが、高校時代の投打での活躍、話題となった入団会見、海を渡っての野球留学、ポジション転向への挑戦、そして引退後の打撃投手やJICAボランティアとしての活動など、高橋幸二氏の人生は常に野球と深く関わってきたものと言えます。

記録

初登板: 1990年8月30日 対広島東洋カープ24回戦（広島市民球場）
9回表、3番手として登板、完了、1回無失点。

背番号

52 （1988年 - 1992年）

関連項目

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