高橋浩司

高橋 浩司

（たかはし こうじ、1982年11月12日 - ）は、香川県さぬき市出身の元プロ野球選手（捕手）。プロ野球引退後は、漁師として生計を立てる傍ら、野球指導者として「高橋野球塾」を主宰するほか、特定非営利活動法人讃們球友倶楽部の理事長として地域における野球振興にも尽力している。

来歴・人物

香川県立志度高等学校時代には、そのパンチ力を秘めた打撃で注目を集めた強打の捕手だった。高校3年生の夏には、県大会で準決勝まで勝ち進んだものの、丸亀高校に敗れ、甲子園出場の夢は叶わなかった。

高校卒業後の2000年、ドラフト会議でオリックス・ブルーウェーブから8位指名を受けプロ入りの道を歩み始めた。この時の契約は、オリックスが当時下位指名の選手に対して採用していた独特の形式で、契約金はゼロ、一軍出場数に応じて出来高払いが支払われるという内容であった。プロ入り後、ファームでは持ち前の打力を活かすため、捕手としてだけでなく外野手として起用されることもあった。

しかし、オリックス時代を振り返り、本人は球団が自身にほとんど獲得資金を投入していないという事情から、球団からの期待度の低さを感じており、二軍戦でも十分な出場機会を得るのに苦労したと述懐している。厳しいプロの世界で、選手として道を切り拓くことの難しさを痛感する日々であった。

2004年オフ、球団合併に伴う分配ドラフトにより、東北楽天ゴールデンイーグルスへ移籍することとなった。新たな環境での再起が期待されたが、楽天ではわずか1年で戦力外通告を受け、プロ野球選手としてのキャリアに終止符を打った。プロ在籍期間中、一軍公式戦への出場機会は得られなかった。

引退後

プロ野球選手としての道を断たれた高橋氏は、故郷であるさぬき市に戻った。実家に戻った彼は、家業である漁師として生計を立てることを選んだ。早朝から海に出て漁をするという、プロ野球の世界とは全く異なる厳しい環境に身を置くこととなった。

一方で、引退後も野球との縁が途切れることはなかった。地域の子どもたち、特に近所の中学生から野球指導を求められるようになり、その求めに応じる形で指導を始めた。これがきっかけとなり、本格的な野球指導の道へと進むことになる。

2010年1月には、自身の名を冠した野球塾「高橋野球塾」を設立した。当初は地域の子どもたちを対象とした指導であったが、次第にその指導力の高さが評判を呼び、県内外から受講希望者が集まるようになった。より良い練習環境を求めて、2016年8月には高松市内の町工場の一角を借り受け、屋内グラウンドを備えた練習場へ移転した。この移転により、天候に左右されることなく質の高い指導を提供できるようになった。

高橋野球塾からは、多くの才能ある選手が輩出されている。2019年7月時点では、甲子園大会への出場経験を持つ卒塾生が10人を超えるなど、着実に実績を積み重ねている。また、2021年度の育成ドラフト会議では、富田龍選手が卒塾生として初めてプロ野球から指名を受ける快挙を達成した。

野球塾での指導のほか、地域貢献活動にも力を入れている。特定非営利活動法人讃們球友倶楽部を設立し、理事長として中学生の軟式クラブチームを運営するなど、次世代の育成に情熱を注いでいる。

現在も、本業の漁師として働きながら、野球指導者、そして地域貢献者として多忙な日々を送っている。プロ野球選手としては結果を残せなかったが、その経験を活かし、故郷の海と、次世代の野球選手の育成という二つのフィールドで精力的に活動を続けている。

詳細情報

年度別打撃成績: 一軍公式戦出場なし
背番号:
63 （2001年 - 2004年、オリックス・ブルーウェーブ）
46 （2005年、東北楽天ゴールデンイーグルス）

関連項目

香川県出身の人物一覧
オリックス・バファローズの選手一覧
* 東北楽天ゴールデンイーグルスの選手一覧

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