高橋美穂 (テコンドー)

髙橋 美穂（たかはし みほ）

髙橋 美穂氏は、1974年3月25日に東京都で生まれた、日本の元テコンドー選手です。旧姓は今野美穂。

秋田県のにかほ市立象潟小学校および象潟中学校で学びました。小学校時代は器械体操に励んでいましたが、1989年に新たな挑戦としてテコンドーを始めます。

テコンドー開始からわずか数年後の東京都立葛西南高等学校在学中に、その才能を開花させます。1992年にスペインで開催されたバルセロナオリンピックでは、公開競技として実施されたテコンドー競技において、女子日本代表の一人に選ばれました。ライト級（55kgから60kg未満）に出場しましたが、残念ながら初戦で敗退という結果に終わりました。

高校を卒業後、髙橋氏は日本大学文理学部体育学科に進学し、競技生活を継続しました。次なる目標として1996年のアトランタオリンピック出場を目指しましたが、この大会ではテコンドーが正式競技から外れてしまったため、その夢は叶いませんでした。

国内戦では、1993年11月13日に広島で行われた第13回全日本テコンドー選手権大会において、テコンドー歴1年半の新鋭であった岡本依子選手と決勝で対戦しました。激しい攻防の末、3ラウンドを通して5対7の判定で惜しくも敗れています。

1997年に大学を卒業すると同時に、髙橋氏は現役選手としてのキャリアを終えました。指導者の道ではなく、一般企業への就職を選び、テコンドー界から一時的に離れました。プライベートでは、2007年に結婚し、姓が髙橋となりました。

時を経て、2015年に再びテコンドー界との関わりが生まれます。2020年東京オリンピックの準備が進む中、同パラリンピックにおいてパラテコンドー競技が初めて採用されることが決定したこともあり、一般社団法人全日本テコンドー協会からの要請を受け、同協会の理事に就任しました。同時にアスリート委員長も務め、選手の声を行政に届ける役割も担いました。

しかし、協会の運営を巡っては様々な問題が発生しました。2019年10月8日には、強化方針などを巡る日本代表選手と協会の対立が深まる中、理事会が開催されます。その席上で体調を崩し、会議の途中で退室した際に過呼吸で廊下で倒れ、救急搬送されるという事態に至りました。

この経験も影響し、同年10月25日には、全日本テコンドー協会の組織体制の抜本的な改革を強く訴え、理事職からの辞任を決断しました。

選手としてオリンピックの舞台を経験し、引退後は協会の運営に関わる立場からテコンドー界の発展に貢献しようとしましたが、組織内部の混乱の中で難しい局面に直面しました。髙橋美穂氏は、日本のテコンドー史において、競技者としても、そして運営者としても重要な役割を果たした人物と言えます。

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