高橋興三

高橋興三（たかはし こうぞう）は、1954年8月20日に大阪府で生まれた日本の技術者、実業家です。

1980年に静岡大学大学院工学研究科修士課程を修了後、シャープ株式会社に入社しました。入社後は複写機事業に携わり、その経験を活かして2008年には執行役員健康・環境システム事業本部長に就任しました。この役職において、高橋氏はシャープの独自技術であるプラズマクラスターの普及に尽力しました。

2010年には常務執行役員米州本部長として、アメリカ市場における事業展開を指揮しました。その後、2012年には代表取締役兼副社長執行役員営業担当兼海外事業本部長に昇進し、シャープのグローバル戦略を牽引する役割を担いました。さらに2013年には代表取締役兼副社長執行役員プロダクトビジネスグループ担当となり、製品開発と事業戦略の両面を統括しました。

2013年、高橋氏はシャープ株式会社の代表取締役社長に就任しました。社長として、経営再建という大きな課題に取り組みましたが、在任中に巨額の赤字を計上することとなりました。その結果、2016年には経営再建のため、台湾の鴻海精密工業（ホンハイ）による買収を受け入れ、高橋氏は社長を退任しました。

高橋興三は、技術者としての専門知識と経営者としての手腕を併せ持ち、シャープの事業発展に貢献しました。しかし、経営環境の変化に対応しきれず、結果として会社の買収という苦渋の決断を下すこととなりました。そのキャリアは、技術革新と企業経営の難しさを示す事例として、記憶されることでしょう。

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