高橋里志

高橋里志のプロ野球人生

高橋里志（たかはし さとし、1948年5月17日 - 2021年1月31日）は、福井県敦賀市出身の元プロ野球選手で、主に投手として日本の野球界で輝かしい経歴を持つ選手でした。

経歴

高橋は福井県立敦賀工業高等学校を卒業後、社会人野球チームの電電北陸に所属しました。1967年の都市対抗では、東洋レーヨンの補強選手として出場しながらも登板機会には恵まれませんでした。その後、彼は1967年のプロ野球ドラフトで南海ホークスから4位指名を受けて入団することになります。当初はエース候補として期待されましたが、一軍昇格には時間がかかりました。

1970年5月28日、阪急戦で先発しながらも、1回に4点を失い降板する苦しいスタートを切ります。翌1971年には近鉄に対してプロ初勝利を挙げるも、選手兼任監督の野村克也との間に確執が生じ、1972年には自由契約となりました。

その後、故郷の敦賀に帰った高橋ですが、1974年に広島東洋カープに打撃投手として契約し、シーズン中に投手として復帰しました。1976年には一軍昇格を果たし、阪神との対戦で好投、さらには同年に8勝を挙げるなど、輝かしい結果を残しました。

特に1977年には25試合で20勝を記録し、最多勝利のタイトルを獲得。この年はその制球力を武器に、広島の黄金期を支える主力投手として活躍しました。1978年にも10勝を上げ、その後も安定した成績を挙げますが、1979年には不調に悩まされ、日本シリーズでは登板の機会がありませんでした。

1981年に佐伯和司との交換トレードで日本ハムファイターズへ移籍し、中継ぎとして活躍。その年の日本シリーズでは巨人との3試合に登板し、1982年シーズンでは8勝を記録し、最優秀防御率に輝きました。1985年には近鉄バファローズへ移籍し、1986年には現役を引退しました。

引退後は広島市でスナックバーを経営しながら、1987年から1997年にかけて中国放送（RCC）の野球解説者としても活躍しました。2009年には広島ホームテレビの番組にゲスト出演し、久しぶりのテレビ登場を果たしますが、その後は主にスナック経営に専念しました。

人物

高橋のキャリアにはトラブルも多く見られました。南海時代、なかなか一軍昇格できない日々にフラストレーションが溜まり、コーチへの不満から暴力沙汰に発展したことも。特に、野村監督とのトラブルは有名で、若手選手には多くの影響を与えたようです。

広島時代にも、江夏豊との確執があり、特にある試合ではベンチ裏の鏡をたたき割る非常事態を引き起こしました。このように、彼の不遇な部分も彼の人生の一部であったと言えるでしょう。ただし、こうしたトラブルを乗り越えて、彼は投手としての地位を確立し、多くのタイトルを手にしました。

詳細情報

高橋は1977年に最多勝利、1982年に最優秀防御率のタイトルを獲得しており、オールスターゲームにも出場した経験があります。背番号は南海時代から近鉄、日本ハム時代を経て複数の球団で変遷しました。

2021年1月31日、肺がんにより広島市内の病院で78歳という若さで逝去しました。

その生涯は、選手として、そしてその後の解説者として、日本のプロ野球界に多大な影響を与えた素晴らしいものでした。

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