高永昌

高永昌（生年不詳 - 隆基元年（1116年）5月）は、遼代末期に大元および大渤海の皇帝を自称した人物です。渤海人の出身であり、遼の過酷な支配に対する不満を背景に反乱を起こしました。

反乱の勃発

天慶6年1月1日（1116年1月17日）、東京遼陽府（現在の遼寧省遼陽市）で、遼の支配に不満を持つ渤海人たちが東京留守の蕭保先を殺害するという事件が発生しました。この混乱に乗じて、遼陽府の裨將であった高永昌は3,000人の兵を率い、反遼の兵を挙げました。彼は遼陽府を占拠し、戸部使の大公鼎や副留守の高清明ら遼の官員を追放しました。

大元皇帝の即位

遼陽府を掌握した高永昌は、大渤海皇帝を称して国号を大元、元号を隆基と定めました。彼はその後、遼の東京道五十余州を攻め落とし、勢力を拡大しました。しかし、その支配は長くは続きませんでした。

金への救援要請と裏切り

隆基元年閏1月4日（1116年2月19日）、蕭韓家奴、張琳らが率いる遼軍が迫ってくると、高永昌は北方の金に対して救援を求めました。金の太祖はこれに応じ、増援と称して東京地区を占領し、遼軍の背後から攻撃を加えて打ち破りました。しかし、これは高永昌にとって予期せぬ事態を招きました。

滅亡

金の太祖は高永昌に対し、帝号を取り消すよう命じました。しかし、高永昌がこれを拒否したため、金軍は態度を硬化させました。金軍の攻撃により遼陽府は再び占拠され、高永昌は捕えられ斬首されました。こうして、高永昌の短い統治は終わりを迎えました。彼の反乱は、遼の支配下にあった渤海人の不満の表れであり、その後の遼の衰退を加速させる一因となりました。

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