高温注意情報

高温注意情報とは

高温注意情報とは、夏季の熱中症予防を目的に、気象庁が2011年から2020年まで発表していた気象に関する注意情報の一つです。東日本大震災後の節電対策において、気温上昇による熱中症リスクが高まる懸念から導入されました。

発表の概要

予想最高気温が35℃以上（猛暑日）になると予測された場合に、気象庁のウェブサイトやメディアを通じて発表され、熱中症への注意を呼びかけました。週間天気予報でも、同様の高温が予想される際に「高温に関する気象情報」が発表されていました。

当初は北海道と沖縄県を除く45都府県が対象でしたが、2012年からは全国で実施されました。2011年は電力需給の状況から、北海道と沖縄県が除外されていました。

注意点として、高温注意情報はあくまで「注意情報」であり、気象「注意報」とは異なります。

課題点

高温注意情報には、いくつかの課題がありました。

発表基準が気温のみで、湿度（湿球黒球温度）が考慮されていなかった点。
発表基準と熱中症による救急搬送者数との相関関係が必ずしも明確でなかった点。
頻繁な発表により、情報が軽視される傾向が見られた点。

熱中症警戒アラートへの移行

これらの課題を解決するため、気象庁と環境省は連携し、2020年3月13日に新たな情報「熱中症警戒アラート」の発表を開始しました。これは、暑さ指数（WBGT）を基準とするもので、より的確な熱中症対策を促すことを目的としています。

2020年7月から関東甲信地方で先行導入され、2021年夏からは全国で展開されました。これに伴い、高温注意情報は廃止され、熱中症警戒アラートに統合されました。

関連情報

熱中症警戒アラート - 気象庁
高温注意情報 - 気象庁
新たな「高温注意情報」の発表開始等 熱中症対策に関する気象情報の拡充について - 気象庁

もう一度検索