高瑶

高瑶（こう よう）は、明代に活躍した官僚であり、字を庭堅と称しました。彼の出身は福州府閩県であり、その生涯は官僚としての活動と、それに伴う波乱に満ちていました。

高瑶は、郷挙によって荊門州学訓導という役職に就き、官僚としてのキャリアをスタートさせました。1467年（成化3年）5月、彼は朝廷に対し、十項目にわたる上疏（意見書）を提出しました。その内容は多岐にわたりましたが、特に注目されたのは、景泰帝に対して廟号を贈ることを勧める文言でした。この主張は、当時の朝廷内で大きな波紋を呼び、左庶子であった黎淳から激しく非難されることとなりました。黎淳は、高瑶の意見が過去の皇帝に対する不敬にあたるとして、厳しく糾弾しました。しかし、成化帝は「景泰のことは既に過ぎ去ったことであり、朕は意に介していない」と述べたため、この議論は最終的には沙汰止みとなりました。

1483年（成化19年）、高瑶は番禺知県という要職に任命されました。この地で彼は、その卓越した行政能力を発揮し、民政に尽力しました。しかし、彼の正義感と勇敢さは、新たな敵を生むこととなります。1486年（成化22年）、高瑶は宦官の韋眷が外国人と通じて不正に蓄財していた巨額の財産を摘発し、官に没収しました。この事件は、当時の朝廷内で大きな話題となり、高瑶の名声を高めることとなりました。しかし、この摘発は、韋眷の強い恨みを買うこととなりました。

韋眷は、高瑶への復讐を企て、高瑶を誣告する上奏を朝廷に行いました。その結果、高瑶は広東布政使の陳選と共に逮捕され、厳しい取り調べを受けることとなりました。番禺県の民衆は、高瑶の逮捕に深く悲しみ、彼の送還時には涙を流し、道を塞いでまで彼の無罪を訴えました。しかし、高瑶は罪を免れることはできず、一兵士として永州府に流されるという過酷な処分を受けることとなりました。流刑地での生活は苦難に満ちていたと想像されますが、高瑶は自身の信念を曲げることはありませんでした。

後に、高瑶は釈放され故郷に帰ることが許されました。しかし、流刑による心身の疲労は大きく、間もなくこの世を去ったとされています。高瑶の生涯は、正義を貫いた官僚としての姿と、それに伴う苦難を描き出しています。彼の物語は、後世に教訓として語り継がれることでしょう。

高瑶の事績は、『明史』巻164 列伝第52に詳しく記されています。この史書は、高瑶の生涯を研究する上で、重要な資料となっています。

参考文献
* 『明史』巻164 列伝第52

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