高田富與

高田富與（たかだ とみよ）

高田富與（1892年5月11日 - 1976年10月17日）は、日本の弁護士、政治家であり、札幌市長を3期務め、衆議院議員も2期務めました。初代公選市長として、戦後の札幌の発展に大きく貢献しました。

生涯

福島県石城郡大野村（現在のいわき市）で生まれました。親戚を頼り北海道へ渡り、江別で小学校を卒業後、札幌郵便局で電信技術を習得。郵便局員として勤務後、北海道師範学校を卒業し小学校教員となりました。教員時代には、減給案に異議を唱えたことがきっかけで弁護士を志すようになります。

1923年に中央大学専門部を卒業し、弁護士となりました。1930年からは札幌市議を3期務め、水道事業や発電事業の建設を強く訴え、藻岩発電所・藻岩浄水場の建設を実現し、札幌市の電気・水道の礎を築きました。その他、円山総合運動場の建設や市庁舎改築を推進しました。また、北海道綴方教育連盟事件（1941年）では弁護を担当しました。

1947年、初の民選札幌市長に当選。「物欲を去れ、名誉欲を去れ、人の喜びを喜びとし、人の愁いを愁いとせよ」をモットーに、インフラ整備や教育改革に尽力しました。市長在任中には、さっぽろ雪まつりの開催、円山動物園の建設、テレビ塔建設、中央卸売市場、市民会館、藻岩山観光施設など、都市発展の基盤を確立しました。1957年には、全国市長会会長も務めています。

1959年に市長を退任後、衆議院議員に転身し、2期務めました。北海道テレビ放送の監査役も務めました。

1976年10月17日、心不全による尿毒症のため札幌市民病院で死去。84歳でした。

業績

札幌市の電気・水道の基礎を築く（藻岩発電所、藻岩浄水場の建設）
円山総合運動場の建設
市庁舎の改築
さっぽろ雪まつりの開催
円山動物園の建設
札幌テレビ塔の建設
中央卸売市場の開設
札幌市民会館の建設
藻岩山観光施設の整備

高田富與は、戦後の札幌の発展に大きく貢献した人物として、その功績は今もなお語り継がれています。

著書

市政私記（1954年、私家本）
綴方連盟事件（1958年）
なぎさのあしあと（1970年、柏葉書院）
市政史記（1972年、私家本）

参考文献

佐竹直子『獄中メモは問う : 作文教育が罪にされた時代』北海道新聞社〈道新選書47〉、2014年。 NCID BB17548537。
北海道立図書館レファレンス通信 №24 （通巻28号）；（平成１8 年６月２３日発行）「市町村のみなさんからの発信 【15】 高田富與の江別時代 江別市情報図書館 館長 佐々木孝一さん」
江別市教育委員会　江別市立江別第二小学校学校の沿革（開校日：明治19年9月15日）

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