石城郡

石城郡について

石城郡（いわきぐん）は、福島県に位置していた郡であり、1896年に行政区画として設立されました。この郡は、いわき市のほとんどの地域を含んでいましたが、特定の町である久之浜町と大久村は除外されています。

郡域の変遷

石城郡に関する記録は古く、当初この地域は多珂国に所属していたとされています。650年頃に石城評が設置され、その後白雉4年（653年）にはこの評が陸奥国の一部として分立しました。また、718年には陸奥国の分割に伴い、石城国が設立されたものの、約10年で廃止され、再び陸奥国の管轄に戻ります。

文献によると、10世紀に記された『和名類聚抄』においては、石城郡の地域には蒲津、丸部、神城などの12郷が存在したとされていますが、治承年間の頃には岩城郡およびその他の郡に分かれ、石城郡という名称は一時失われました。

石城郡（第2次）の設立

福島県の石城郡は、明治維新により新しい地方制度が導入される中で再形成されました。1872年の大区小区制の施行により、いわき市の前身である磐城郡、磐前郡、菊多郡が同じ大区に含まれました。

1896年4月1日、菊多郡、磐前郡、磐城郡と楢葉郡の一部が統合され、石城郡（第2次）が設立されました。この際、追加された村落には川前村も含まれています。

近代の沿革

石城郡の近代沿革を見ると、1896年には3町37村が構成され、数年後にはさらにいくつかの町が設立されていきます。たとえば、1922年に湯本村が町制を施行し湯本町になり、その後も江名町や植田町、勿来町と名を変える町が次々に誕生しました。1937年には平町と平窪村が合併し、平市が発足しました。

1940年代になると町の合併や町制施行が続き、1942年には内郷村が町に昇格。さらに、1950年代に入ると郡内のさまざまな村が合併し、町や市へと移行していきます。この時期、石城郡の一部は磐城市や常磐市へと移行し、最終的に1966年10月1日にいわき市が発足する際に石城郡は消滅しました。

石城郡の影響と遺産

石城郡は、その歴史において地域の発展に寄与するとともに、農業や交通の拠点としても重要な役割を果たしました。現在のいわき市に至るまでの流れの中で、多くの町や村の歴史的な背景や文化を形成しています。

参考文献

• - 青木和夫・稲岡耕二・笹山晴生・白藤禮幸校注『続日本紀』四（新日本古典文学大系15）、岩波書店、1995年。
• - 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 7 福島県、角川書店、1981年3月1日。ISBN 4040010701。

もう一度検索