高田賢三

高田賢三 (たかだ けんぞう)

高田賢三は、日本のファッションデザイナーであり、KENZOの創業者として広く知られています。1939年に兵庫県姫路市で生まれ、2020年に逝去するまでの81年間にわたり、彼はファッション界に多大な影響を与えました。特に、彼はパリを拠点に活動し、会場を借りてショーを開催した初のデザイナーとして、その後のパリコレの原型を作り上げました。

来歴

賢三は姫路市の小学校から始まり、高校を卒業した後に一時神戸市外国語大学に通いましたが、ファッションに対する情熱から文化服装学院に転校しました。ここでは、男子学生としては2期生となり、デザイン技術の基礎を学びます。彼の同級生には後に著名なデザイナーとなるコシノジュンコや松田光弘が含まれ、彼らは「花の9期生」と呼ばれました。賢三は1960年に第8回装苑賞を受賞し、その才能を早くから評価されました。

デザイナーとしてのキャリアをスタートさせた高田賢三は、業界内での人脈を活かしながらファッションの道を歩んでいきます。彼はまずミクラというアパレル会社にデザイナーとして参加し、その後は三愛に移籍しました。そして、1964年に海外旅行が自由化されると、彼はフランスに渡り、ビューロードスティルでの勤務を経て、1970年には独立を果たしました。

KENZOの誕生と影響

独立後、賢三はパリのギャルリ・ヴィヴィエンヌにプレタポルテのブティック「JUNGLE JAP」を開店します。この店は後にKENZOというブランド名に改称されました。1970年には彼の作品が『ELLE』の表紙を飾り、その名声は瞬く間に広まりました。当時、プレタポルテデザイナーが自社ショールームで服を展示していた時代に、賢三は会場を借りて独自のショーを開催しました。この先駆的な試みは、1971年に行われた共同コレクション発表へとつながり、これがパリコレの原型となりました。

1993年には、賢三のブランドはLVMH傘下に加わり、1999年にはデザイナー業から退くものの、2002年には再び業界に復帰します。彼がデザインした2004年のアテネオリンピック式典向けのユニフォームは、大きな注目を集めました。賢三のスタイルは異文化を融合させたものであり、フォークロア的な要素を取り入れたデザインで知られています。

晩年と遺産

高田賢三は2020年9月、パリで新型コロナウイルスに感染し、その後病院で闘病生活を送りましたが、同年10月に亡くなりました。彼の死を受けて、フランス大統領官邸は哀悼の意を表したことでも、彼の影響力と人望の高さがうかがえます。賢三は独身であり、彼の墓は故郷である姫路市に位置しています。

特別な受賞歴

賢三は多くの賞を受賞し、彼の功績が評価されています。1960年に装苑賞、1984年にはフランス芸術文化勲章を受章しました。また、1999年には紫綬褒章を受賞し、2016年にはレジオン・ドヌール勲章も授与されました。彼の生涯にわたる業績は、ファッション界においても特別な位置を占めています。

結語

高田賢三は、日本のファッション界を代表するデザイナーとして、国際的にも名を馳せました。彼の革新的なデザインやファッションに対する情熱は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。若き日に文化服装学院で学んだ彼の道のりは、ファッションの枠を超え、文化を教える一つの模範となることでしょう。

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