高畑車庫

高畑車庫（たかばたしゃこ）

高畑車庫は、愛知県名古屋市中川区荒子一丁目に設けられた、名古屋市営地下鉄東山線の車両基地です。主に東山線で運行される電車の収容や夜間留置などに用いられています。

概要

この車両基地の開設は、名古屋市営地下鉄東山線が高畑駅から中村公園駅まで延伸開業した1982年9月21日に密接に関わっています。延伸に先立つこと、1982年9月16日に施設として供用が開始されました。地下に駅がある高畑駅とは異なり、高畑車庫の施設は駅の北東方面、地上部に位置しています。

車庫へ繋がる引き込み線は、高畑駅の1番線ホーム側に接続しています。そのため、車庫へ入庫する電車は、高畑駅で一旦終点として乗客を降ろし、折り返しの操作を行った後、この引き込み線を経由して車庫構内へと進みます。

敷地面積は約11,000平方メートルに及び、広大なスペースを利用して効率的に車両を収容しています。具体的には、最大で66両の電車、これは東山線で運用される6両編成の列車11本分に相当する数を留置することが可能です。

高畑車庫の主な機能は車両の留置に特化しており、車両の本格的な検査や修繕を行うための設備は備えられていません。現在、東山線で走行している5050形やN1000形といった形式の車両が、運行を終えた夜間や日中の休憩時間にこの車庫で休んでいます。日常的な運用状況としては、夜間には最大9編成が、日中には2編成程度が留置されています。

周辺環境

高畑車庫は周囲が比較的高い壁で囲まれているため、外部から構内の様子を詳細に見ることは難しく、留置されている車両の屋根や上部がわずかに垣間見える程度です。

車庫の東側には、名古屋臨海高速鉄道のあおなみ線が通っています。あおなみ線に乗車し、小本駅と荒子駅の間を通過する際には、車窓から高畑車庫の一部施設を視界に捉えることができます。

また、高畑車庫の西側には、名古屋市営バスの回転場が隣接して設けられています。これは、地下鉄高畑駅を終点とする一部のバス路線が、駅で乗客を降車させた後、次の運行のためにこの回転場へ回送され、折り返しを行うために使用される施設です。なお、このバス回転場に最も近いバス停留所は、地下鉄高畑駅の停留所ではなく、「上高畑」という名称の停留所となります。

高畑車庫は、普段あまり人目に触れることのない場所ですが、名古屋市営地下鉄東山線の円滑かつ安定した運行を支える上で、重要な役割を担う施設です。

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