名古屋臨海高速鉄道

名古屋臨海高速鉄道株式会社

名古屋臨海高速鉄道株式会社は、愛知県名古屋市の港区に本社を構える鉄道会社で、主にあおなみ線と呼ばれる西名古屋港線を運営しています。名古屋市の外郭団体として機能しており、市の交通インフラとして重要な役割を果たしています。

概要

この会社は、名古屋市港区南部における鉄道の空白地帯を解消するために、東海旅客鉄道（JR東海）が所有していた西臨港貨物線を旅客用に転換し、剝き出しにしたあおなみ線として開業しました。名古屋市は、この事業の筆頭株主であり、県と名古屋港管理組合、および16の民間企業が出資しています。名古屋市の株式保有率は76.9%を占め、名古屋市と愛知県合わせて約90%の公的資本が投入されています。

しかし、名古屋臨海高速鉄道は、2011年には経営破綻に直面しました。その後、県と市から440億円の公的資金を受けて事業再建を図っている状況です。このように、鉄道事業とともに財務改善策を進める苦境に立たされています。

歴史

名古屋臨海高速鉄道は1997年12月に設立され、2004年にはあおなみ線名古屋 - 金城ふ頭間が開業しました。その後、2005年にはフリーきっぷの販売、2010年には事業再生ADRの申請を行い、2011年にはICカード乗車券のmanacaを導入しました。さらに、2017年には名古屋 - 金城ふ頭間のノンストップ列車の運行を開始し、集客効果を図っています。

2022年には名古屋競馬場前駅を港北駅に改称するなど、路線の拡充と利便性向上が課題とされています。

運賃とサービス

運賃体系は、区間毎に設定されており、名古屋市営地下鉄との乗り継ぎ割引や、各種ICカードに対応しています。定期券購入は名古屋駅、金城ふ頭駅などで可能であり、名古屋市営交通と比べると若干高めの運賃設定がされています。

また、2005年には愛知万博の開催に合わせて特別乗車券「名古屋・ささしまライブ1日フリーきっぷ」を発売し、期間限定での特別乗車券の販売も行われています。このような試みを通じて、利用者の増加を目指しています。

経営難と再構築

経営再建の過程では、需要予測の見直しが行われ、実際の乗車人員は当初の予測を大きく下回る結果となりました。名古屋市が中心となり、経営体制の見直しを図り、再生計画が策定される中で、収益改善へ向けた施策が実施されています。

将来展望

名古屋臨海高速鉄道は、レゴランド・ジャパンの開業や新たな商業施設の開発により、今後の収益向上が期待されています。さらに、蒸気機関車の運行構想も論議されており、観光資源としての活用が図られる可能性があります。これらの施策により、さらなる利用者の増加が期待されています。

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