高砂発電所

高砂発電所について

高砂発電所（たかさごはつでんしょ）は、かつて兵庫県高砂市に位置した関西電力の石油火力発電所です。この発電所は、1971年に運転を開始し、1号機と2号機が稼働していました。両機とも定格出力は45万kWであり、使用されていた燃料は重油および原油でした。しかし、2006年には原油価格の高騰や設備の老朽化に伴い、運転を終了し、廃止されることとなりました。

発電所は広大な敷地を持ち、約34万m²の面積を占めていました。発電所の東側には電源開発高砂火力発電所があり、南側の護岸は釣り場としても利用されていました。さらに、北側には関西電力の変電所が存在し、その北に向かって送電線が延びていました。

発電所の技術的な特徴

高砂発電所は高い技術を投入した設備を有しており、中央制御室から発電機の運転を管理していました。蒸気タービンは毎分3,600回転の速さで回転し、発電機を動かす仕組みが整っていました。この蒸気は海水で冷やされ、温排水の処理についても配慮がなされていました。

また、発電した電力は16,000Vから275,000Vに変圧され、各変電所への供給が行われていました。環境への影響を軽減するため、ボイラーでは二段燃焼を採用し、窒素酸化物の排出を抑制していました。煙突は高さ180mの設計となっており、排ガスを高い位置から放出することで地上への影響を最小限に抑えました。

廃止後の取り扱いと規模縮小

高砂発電所の運転停止後、その跡地については老朽化した電源開発高砂火力発電所の建て替えが計画されていましたが、関西エリアでの電力需要の減少が見込まれたため、この計画は2018年に中止されました。発電所の解体や新たな用途の検討が進められる一方、周辺の環境保全活動にも注力されているようです。

教育的な役割と地域貢献

当発電所には電遊館「たかさご」が併設されており、発電所の職員による説明やビデオ上映を通じた実地見学も実施されていました。ここでは電気の仕組みを学ぶためのさまざまな展示やイベントが行われ、地域の教育にも寄与していました。また、当発電所で使用されていたタービンは、現在エルシティー館において一般に公開されており、多くの人々に愛される存在となっています。

アクセス情報

発電所へのアクセスは、山陽電鉄の伊保駅から車で約15分の距離にありました。周辺には釣り場が開放されており、釣り人のための駐車場やトイレも完備されていました。かつては地域に多大な貢献を果たしていた高砂発電所、その跡地をどのように活用して行くのか、今後の動きが注目されます。

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