高速1号型特務艇

高速1号型特務艇について

概要

高速1号型特務艇は、海上[[自衛隊]]が使用する特務艇の一つで、正式には「ASH No.1 class」と呼ばれています。この艦級は、1954年に設立された陸上・海上・航空の三自衛隊が、それぞれ運用する航空機が海上に事故を起こした際に、乗員の捜索や救難作業を行うために必要とされた救難艇の一環として誕生しました。特に当時、洋上での救助活動は艦艇が主力であり、海上[[自衛隊]]の求めに応じて専用の救難艇として建造されました。

当初、1954年度に「高速1号」および「高速2号」の2隻が建造され、続く1955年度には「高速3号」が追加で建造されました。なお、最初の2隻は支援船籍の救命艇として運用されていましたが、1956年2月に自衛艦籍の特務艇へと変更されました。

設計

設計にあたっては、第二次世界大戦中のアメリカ陸軍航空軍が製造した飛行機救難艇の85フィート型が参考にされました。艇体の形状は複数のモデルを用いて水槽での試験を経て決定され、高速性と航洋性を兼ね備えた設計になりました。

艇体は木造であり、骨材にはケヤキが用いられ、内部の内装板にヒノキ、外装板にはラワンが使われた二重矢羽根張りの構造となっています。また、機関は中古のパッカード製ガソリンエンジンを2基再整備して使用しており、防火対策として燃料タンクや甲板被覆にはポリエステル素材が採用されています。

捜索救難に必要な各種装備、例えばレーダーや短波受信機、救命ネットといった機器も搭載されています。また、特務艇としての特徴から、視認性を高めるために艇体は白、甲板は黄色、上部構造物は赤に塗装されていました。

運用

海上[[自衛隊]]の各地方隊には、航空基地や航空部隊に配備され、捜索救難任務に従事しました。しかし、1970年代に入るとヘリコプターを使用した捜索救難体制が整備されるようになり、1974年までには全ての艇が除籍されました。

結論

高速1号型特務艇は、海上[[自衛隊]]による航空救難のための重要な役割を果たしましたが、時代の変遷と共にその任務の形が変わっていったこともあり、運用期間は限られていました。今後、海上[[自衛隊]]の情報や技術の進展についても検討が必要です。

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