高雄市武徳殿

高雄市武徳殿の歴史と魅力

高雄市の鼓山区に位置する武徳殿は、台湾の武道文化を象徴する重要な施設として知られています。この建物は、1924年に建設され、当初は台湾総督府高雄州警務所の武徳会支部が管理していました。日本による台湾統治の下で各地に設立された武道鍛錬の施設の一つであり、ここでも武道の普及と発展が図られていました。武徳殿は特に高雄州の各支部を統括する役割を果たしていました。

第二次世界大戦後、武徳殿は高雄市鼓山小学校の管理下に置かれ、その後は職員の宿舎として使用されましたが、年月が経つにつれて放置されて荒れ果ててしまいました。しかし、1999年に市定古蹟として登録され、2003年から本格的な修復工事が進められ、2004年に完了しました。現在では、高雄市武徳殿は社団法人高雄市剣道文化促進会に運営を委託され、武道場として利用されています。日本との親善試合も行われるなど、伝統の継承が見られます。

建築の特徴

高雄市武徳殿は、鼓山小学校の北側に位置し、周囲には大きなガジュマルの木が立っています。建物の外観は近代的な和風建築に分類され、外壁は煉瓦造りです。また、入母屋造りの平入屋根を持ち、台湾煉瓦株式会社打狗工場で製造された煉瓦が使用されています。

ポーチには、エンタシスを持つトスカナ式オーダーの柱が立ち、唐破風の屋根を支えています。湿気の多い地域に位置するためか、壁面には多くの窓が設けられ、換気に配慮されています。内部にはトラス構造が見られ、内壁や床は2004年の修復工事によって整備されました。

交通アクセス

訪れる際の交通手段としては、西子湾駅から発車する文化公社・哈瑪星線のバスを利用するのが便利です。武徳殿の最寄りバス停留所で下車し、すぐにアクセス可能です。また、高雄駅からは1、31、50、99、248のバスが鼓山市場停留所や中山大学停留所に停まります。

高雄市武徳殿は、武道精神の象徴であり、地域の歴史を学ぶには最適な場所です。日本との交流も深めており、人数は限られていますが、訪問者には貴重な体験が待っています。高雄市にお越しの際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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