高須賀義博

高須賀 義博 (たかすか よしひろ)

高須賀義博は、日本のマルクス経済学の大家であり、一橋大学経済研究所の教授として活躍しました。1932年9月27日に愛媛県で生まれ、1955年には一橋大学の経済学部を卒業しました。彼の学問的な旅は、1957年に一橋大学の大学院経済学研究科で修士課程を修了したことで一層深まります。彼の指導教員である都留重人のゼミナールでの経験が、彼の経済学に対する情熱を育みました。

1966年までに、高須賀は一橋大学から経済学博士の学位を取得しました。これにより、彼はより専門的な研究に取り組むことが可能となり、経済理論の発展に寄与することができました。彼の研究は、特に現代日本の物価問題に着目し、1972年にはその著作『現代日本の物価問題』によってエコノミスト賞を受賞しました。これは彼の学問的な評価が極めて高かったことを示しています。

高須賀の教育者としての側面も非常に重要で、彼の指導を受けた学生の中には、後に著名な経済学者となった者が多数います。これには、一橋大学名誉教授の米山高生や、慶應義塾大学教授の池尾和人、さらに立教大学名誉教授の北原徹などが含まれます。彼らは高須賀の影響を受け、彼の考え方や学問のスタンスを引き継いでいます。

高須賀は、マルクス経済学に関する多くの著書を執筆しています。中でも特に注目されるのが、彼のデビュー作『現代価格体系論序説』で、これは1965年に岩波書店から発表されました。その後も、経済理論や物価問題に関する著作を続々と発表し、1979年に刊行された『マルクス経済学研究』や、1981年の『現代のインフレーション――構造論的接近』などがあります。彼の精力的な研究は日本の経済学界において重要な地位を占めています。

1991年、高須賀は一橋大学経済研究所の教授在任中に亡くなりました。彼の死は、経済学界において多大な損失でありましたが、残された研究と学生たちは今もその影響を受け続けています。高須賀の名は、彼が推進したマルクス経済学の発展と教育の現場で長く語り継がれることでしょう。

さらに、彼は編集者や翻訳者としても成功を収めています。『独占資本主義論の展望』や、他の著作や講演を通じて、経済学の普及にも寄与しました。また、彼は数多くの著作の翻訳や監訳も行い、国際的な経済学者との交流を深めました。

高須賀義博は日本の経済学界において重要な役割を果たし、その学問的成果は今後も多くの研究者や学生によって受け継がれていくことでしょう。

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