髙橋望

ピアニスト 髙橋 望

髙橋 望（たかはし のぞむ）は、埼玉県秩父市出身の日本のピアニストです。

経歴

埼玉県秩父市で生まれた髙橋は、ドイツのドレスデン国立音楽大学 Hochschule für Musik Carl Maria von Weber Dresden にて、名教授ペーター・レーゼルに師事しました。同大学で研鑽を積み、演奏家資格試験(Konzertexamen)を最優秀の成績で修了。さらに大学院マイスタークラス(Meisterklasseexamen)も修了しています。

演奏活動

髙橋は、J.S.バッハの「ゴルトベルク変奏曲」をライフワークとしており、毎年1月に東京で同曲のリサイタルを開催しています。その演奏は、師であるペーター・レーゼルのDNAを受け継ぎ、作品を深く掘り下げたものであると評されています。

音楽評論家の上田弘子氏は、「音楽の友」2016年4月号で、髙橋の「ゴルトベルク変奏曲」の演奏について、「作品の真意探求と楽器の可能性を披露し、会場の空気感も功を奏しての名演。特に評価したいのは、弾く姿勢(体幹)に芯があることと、耳の良さとセンス。変奏曲だからと弾き走ることなく、強固でしなやかな構成感。モダン・ピアノだからこその多彩さ。響きもアゴーギクも時おり、ロマン派に通じる表現を見せるが、その知的な揺らぎは、これまでの様々な研鑽の結晶だろう。やり過ぎにならない理性は高潔で、と同時にアリアを含む全30変奏の深みを愉しく聴かせる豊かなイマジネーション。」と評し、その演奏を「タカハシのゴルトベルク」と称賛しました。

また、2015年にリリースされたライヴCDは、「レコード芸術」で準特選盤に選出されました。音楽評論家の濱田滋郎氏は、同誌2015年9月号において、「主題の〈アリア〉を一聴してまず感じることは、高橋望が虚飾や野心のない、誠実な心情をもってこの作品に接していること。デリケートな漸強、漸弱の呼吸、つまり現代ピアノにおいて可能な表情性をはっきり意識して活用していること。以下につづく諸変奏においても、そのような演奏上の特色は一貫して変わらない。濁りのないタッチが、きわめて明確な美しい音像を描き出すことも言わねばならない。(中略)美しい音楽を聴いている、という実感がつねにある。高橋望が、節度のうちで、作品をまるごと歌い抜くからだ。」と、その演奏を高く評価しています。

受賞歴

1997年：第13回園田高弘賞ピアノコンクール準園田高弘賞（第3位）受賞
1999年：第2回G・ガンドルフィ国際ピアノコンクール（イタリア・パルマ）第2位入賞

ディスコグラフィー

『トロイメライ』ALMRecord（『レコード芸術』準推薦盤）- 2007年
『シューベルト・ピアノトリオ第2番ほか』Accustika - 2010年
『ゴルトベルク変奏曲』Accutika（『レコード芸術』準特選盤）- 2015年
『平均律クラヴィーア曲集第1巻』（2枚組）（『レコード芸術』特選盤）- 2018年

外部リンク

ピアニスト髙橋望 - 公式サイト

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