髙田郁

髙田郁（たかだ かおる）

プロフィール

1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身の日本の小説家、時代小説作家です。中央大学法学部を卒業後、漫画原作者としてのキャリアを経て、時代小説の世界に足を踏み入れました。漫画原作者時代には、川富士立夏（かわふじ りっか）のペンネームを用いていました。

経歴

幼少期から読書好きの父親の影響で、様々なジャンルの本に親しむ中で、山本周五郎の作品に魅了され、時代小説への関心を深めました。大学卒業後は司法試験に挑戦するも、結果が出ず、その後、漫画原作者として活動を開始しました。

1993年、集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』にて、川富士立夏名義で漫画原作者としてデビューしました。40代半ばに差し掛かった頃、山本周五郎の短編「なんの花か薫る」を読み返し、その感動から「このような作品を自分も書けるようになりたい」という強い思いを抱き、時代小説家への転身を決意しました。

網膜に孔が開いたことをきっかけに、「今、転身しなければ後悔する」と感じ、長年温めていた小説家への道を歩み始めました。

2006年、短編「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞（特別賞）を受賞。2007年には「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞し、翌2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たしました。

2009年には、『銀二貫』が第2回日経小説大賞の最終候補作品に選出され、翌年に幻冬舎から刊行されました。

代表作と評価

2009年に第1作が発表され、2014年に完結した『みをつくし料理帖』シリーズは、全10巻で累計300万部を超える大ヒットとなりました。このシリーズは、2012年と2014年にテレビ朝日で北川景子主演でスペシャルドラマ化、2017年と2019年にはNHKで黒木華主演で連続ドラマ化、2020年には松本穂香主演で映画化されるなど、幅広いメディア展開が行われました。

2013年には、『銀二貫』が「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出され、翌2014年にはNHK木曜時代劇で林遣都主演でテレビドラマ化されました。

2016年からスタートした『あきない世傳 金と銀』シリーズは、2022年に全13巻で完結し、2023年12月からは小芝風花主演でテレビドラマ化されました。

さらに、2017年には三省堂書店により、髙田郁が選ぶ「おすすめの1冊」に贈られる「髙田郁賞」が創設され、受賞作品には髙田のイラストとコメント入りの限定帯が付けられて販売されています。

2022年には、『ふるさと銀河線 軌道春秋』で第10回大阪ほんま本大賞を受賞し、2度目の受賞となりました。

作品一覧

長編小説

出世花シリーズ

出世花（2008年）
蓮花の契り 出世花（2015年）

みをつくし料理帖シリーズ

八朔の雪 みをつくし料理帖（2009年）
花散らしの雨 みをつくし料理帖（2009年）
想い雲 みをつくし料理帖（2010年）
今朝の春 みをつくし料理帖（2010年）
小夜しぐれ みをつくし料理帖（2011年）
心星ひとつ みをつくし料理帖（2011年）
夏天の虹 みをつくし料理帖（2012年）
残月 みをつくし料理帖（2013年）
美雪晴れ みをつくし料理帖（2014年）
天の梯 みをつくし料理帖（2014年）
花だより みをつくし料理帖 特別巻（2018年）

あきない世傳 金と銀シリーズ

あきない世傳 金と銀 源流篇（2016年）
あきない世傳 金と銀（二） 早瀬篇（2016年）
あきない世傳 金と銀（三） 奔流篇（2017年）
あきない世傳 金と銀（四） 貫流篇（2017年）
あきない世傳 金と銀（五） 転流篇（2018年）
あきない世傳 金と銀（六） 本流篇（2019年）
あきない世傳 金と銀（七） 碧流篇（2019年）
あきない世傳 金と銀（八） 瀑布篇（2020年）
あきない世傳 金と銀（九） 淵泉篇（2020年）
あきない世傳 金と銀（十） 合流篇（2021年）
あきない世傳 金と銀（十一） 風待ち篇（2021年）
あきない世傳 金と銀（十二） 出帆篇（2022年）
あきない世傳 金と銀（十三） 大海篇（2022年）
契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻（上）（2023年）
幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻（下）（2024年）

単独作品

銀二貫（2009年）
あい 永遠に在り（2013年）
ふるさと銀河線 軌道春秋（2013年）
駅の名は夜明　軌道春秋Ⅱ（2022年）

エッセイ集

晴れときどき涙雨 髙田郁のできるまで（2012年）

レシピ本

みをつくし献立帖（2012年）

漫画原作（川富士立夏名義）

Still alive まだ生きている（1998年）
MEDIA -メディア- 1995年1月17日を私たちは忘れない（1999年）
軌道春秋1（2000年）
モーニン!（2004年）
まいど!! ラブ★コン大阪だいすきBOOK（2006年）
ソイヤ!! こち亀 お江戸だいすきBOOK（2009年）

漫画原作（髙田郁名義）

神様の手 Therapy dog story（1999年）
美食のお時間2（2010年）

メディアミックス

漫画

みをつくし料理帖シリーズ（2010年）
出世花シリーズ（2010年-2012年）
銀二貫（2013年）
ふるさと銀河線 軌道春秋 コミック版（2013年、2022年）

テレビドラマ

みをつくし料理帖（テレビ朝日版、NHK版）
銀二貫
あきない世傳 金と銀

映画

みをつくし料理帖

舞台

* 銀二貫（宝塚歌劇、松竹）

まとめ

髙田郁は、漫画原作者から時代小説家へ転身し、数々の名作を生み出してきました。彼女の作品は、歴史と人情を織り交ぜた物語で、多くの読者や視聴者を魅了しています。その作品は、映像化もされ、幅広い層に支持されています。

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