鬱陵空港

鬱陵空港について

鬱陵空港（ウルルンくうこう、朝鮮語: 울릉공항、英語: Ulleung Airport）は、大韓民国慶尚北道鬱陵郡鬱陵邑沙洞里に建設中の空港です。2026年上半期の開港を目指し、島民の交通利便性向上に大きく貢献すると期待されています。

計画の概要

2020年11月27日に着工したこのプロジェクトは、総事業費6,633億ウォンを投じて、全長1200m、幅30mの滑走路1本と旅客ターミナルを建設する計画です。50人乗り以下の小型航空機の運航を想定しています。

建設地は、島の南端に位置する可頭峰（カドゥボン）を一部削り、その土砂を利用して沙洞港の沖合を埋め立てるという大規模な工事を伴います。埋め立て面積は23万6千平方メートルにも及びます。この造成地には、滑走路、駐機場、旅客ターミナルが建設されます。

紆余曲折の歴史

実はこの鬱陵空港計画は、1980年代から幾度も持ち上がりながらも、その都度頓挫してきました。主な理由は、莫大な建設費と、それに見合う経済効果が得られないと判断されたためです。

2010年には、企画財政部の予備妥当性調査で経済性分析（B/C）が0.77と低く評価され、事業は保留されました。その後、2012年には滑走路の長さや幅を縮小し、事業費を削減した上で再調査が行われましたが、B/Cは0.70とさらに悪化しました。

しかし、2013年になって、不可解にもB/Cが1.19と評価され、事業は一転して承認されることになりました。当初は2014年から建設を開始し、2020年の開港を予定していました。

その後も、2015年には滑走路の長さが再び1200mに延長され、事業費も増額されました。この時点では2016年着工、2020年末の開港を目指していました。

2016年にはターンキー方式で工事が発注されましたが、埋め立てに使う予定だった可頭峰の岩石の強度が不足していることが判明し、工事費が大幅に増加する見込みとなったため、入札は不成立となりました。これにより、開港予定は2022年以降に再延期となりました。

最終的に、政府は2019年に事業費を6,633億ウォンに増額し、2020年からの着工、2026年上半期の開港という現在の計画を決定しました。2020年11月27日には、正式な着工式が執り行われました。

経済性と課題

2013年に予備妥当性調査を通過した背景には、前年度に比べて便益が大幅に増加したと評価されたことがあります。しかし、事業費も2010年の水準にまで増額されており、建設には依然として多くの課題が残されています。

鬱陵島は日本海に浮かぶ火山島であり、地形的な制約から、内陸部に空港を建設することが困難です。そのため、必然的に海を埋め立てる必要があり、大規模な土木工事が不可欠です。しかし、埋め立てに必要な岩石は、島の周辺では不足しており、この点も大きな課題となっています。

一部では、コストを大幅に削減できるとして浮体式滑走路も提案されましたが、適用事例がないため採用されませんでした。

軍事的な側面

鬱陵空港は、その立地から、いわゆる「不沈空母」として、日本海や竹島（独島）の防衛拠点としての軍事的な利用も指摘されています。しかし、現状の計画では、軍用機を運用するためのスペースや設備が不足しているため、軍用空港としての役割を果たすためには、さらなる計画変更が必要となります。

関連情報

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外部リンク
鬱陵空港建設事業公式ホームページ

これらの情報を通して、鬱陵空港の現状と課題について理解を深めていただければ幸いです。

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