鬼丸町

鬼丸町（おにまるちょう）

鬼丸町は、佐賀県佐賀市の中央部に位置する地区です。佐賀城の南堀南部、市道城南末次線と県道東与賀佐賀線に挟まれたエリアにあり、かつては鬼丸小路という名で親しまれていました。

地理

鬼丸町は、東から順に中の館町、本庄町袋、本庄町本庄、赤松町、城内と隣接しています。佐賀県社会福祉会館や佐賀城内郵便局、佐賀大学前郵便局などが点在していますが、そのほとんどが住宅地となっています。

この地は、龍造寺隆信が出家した場所としても知られる寶琳院があります。また、佐賀の乱の際には佐賀軍の本拠地の一つとなりました。明治維新で活躍した副島種臣は、現在の鬼丸町に含まれる堀端南小路で生まれました。生家は現存しませんが、佐賀県社会福祉会館の敷地内には生誕碑が建てられています。

鬼丸町の面積は約0.22km2で、平成27年の住民基本台帳によると、世帯数は672世帯、人口は男性723人、女性860人の合計1583人です。

歴史

鬼丸小路は、佐賀城下の武家屋敷地として、南堀の外側に位置していました。堀端南小路の南端から南へ、そして本庄東分村に接して西へと続いていました。承応3年（1654年）の佐賀城廻之図絵には、佐賀本藩だけでなく、支藩である小城藩や蓮池藩の藩士も多く居住していたことが記されています。弘化2年（1845年）の『弘化二巳総着到』（鍋島報效会所蔵の佐賀藩士名簿）によると、居住する武士は52名で、総石高は2,266石、平均43石あまりであり、当時も下級武士が多く住んでいたことがわかります。

観頤荘（かんいそう）

佐賀藩3代藩主鍋島綱茂が造営した別邸「観頤荘」は、鬼丸町の西部と赤松町の南部を含む、東西約200ｍ、南北約400ｍ、面積約8万㎡の広大な区域にありました。城との間は水路で直結され、船での往来が可能でした。庭内の池には大型船が10隻以上も浮かべられるほどの広さがあり、佐賀藩の学問の中心であった聖堂も移設されました。藩政がこの別邸で行われることもありましたが、綱茂の死後、敷地の一部が家臣に下賜されるなど縮小され、聖堂も10代藩主直正によって弘道館に移されました。現在では、水辺の護岸の石とわずかな立ち木が残るのみで、短期間で姿を消した理由は、財政難や綱茂に対する個人的感情など諸説ありますが、はっきりとはわかっていません。

寶琳院（ほうりんいん）

寶琳院は、和銅4年（711年）に行基によって建立されたと伝えられています。龍造寺康家が復興し、四男の澄覚が住職となり、その後も龍造寺家が住職を務めました。龍造寺隆信は7歳で出家し、寶琳院に入って円月（圓月）と名乗りました。

交通

• - バス

- 市道城南末次線：「中の館」「鬼丸」バス停（佐賀市営バス「広江・和崎線」「平松循環線」）
- 県道東与賀佐賀線：「佐賀大学東」バス停（佐賀市営バス「佐賀大学・東与賀線」）

• - 道路

- 佐賀県道260号東与賀佐賀線

主要施設

• - 佐賀城内郵便局
• - 佐賀大学前郵便局

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