鬼束大我

天才ジャズドラマー、大我

大我（たいが、1998年7月9日 - ）は、京都府出身のジャズドラマーであり、アーティスト名は大我（たいが）。海外のジャズファンからは「TIGER」の愛称でも親しまれています。

驚異のデビューとギネス認定

9歳という若さで名門ジャズレーベル『Colombia/SAVOY』と契約し、2枚のアルバムを同時リリースしてメジャーデビュー。これは音楽界における史上最年少ドラマーのリーダーアルバムとしてギネスブックに「世界最年少プロドラマー」として認定されるという快挙でした。ニューヨークでの受賞記念記者会見は全世界に放映され、マイケル・ジャクソンと並んでギネスブックに紹介されるなど、その才能は世界中から注目を集めました。

生い立ちと音楽との出会い

1998年、寅年に生まれたことから「大我」と名付けられた彼は、幼い頃からジャズを聴いて育ち、2歳から数多くのジャズライブに触れることで、ジャズを「日常の音楽」として自然に身につけました。5歳から西代一博氏に師事し、本格的にジャズドラムを始め、幼稚園在籍中から関東・関西・ニューヨークのジャムセッションに参加。著名ミュージシャンのライブに飛び入り参加したり、3年間で150回にも及ぶストリート演奏を行うなど、独自の音楽観を育みました。これらの活動がメディアに取り上げられ、“ジャズの申し子”として注目を集め、6歳10ヶ月でプロデビューを果たしました。

海外での活躍と評価

2005年、7歳でニューヨークに渡り、ミンガス・ビッグ・バンドやエディ・ヘンダーソンといった著名ミュージシャンと共演。ハーレムでの自己名義の初ライブは、「老練な黒人ドラマーのような本物の4ビート感覚」「エルヴィン・ジョーンズの再来」「アート・ブレーキーの生まれ変わり」と絶賛され、ニューヨークのジャズメンの間で話題となりました。

2008年にはアメリカを拠点とし、ニューヨークとニューオリンズで自己名義のライブとレコーディングを実現。ニューヨークの名門ジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」や「ミントンズ」、「スモーク」などに出演し、現地のミュージシャンと共演。その演奏は高い評価を受けました。また、ケイコ・ジョーンズにエルヴィン・ジョーンズの自宅に招待され、彼の遺品や遺作に触れたことが、音楽活動に大きな影響を与えました。

2008年6月には、ニューヨークの名門「クリントンスタジオ」で、ベーシストのバスター・ウィリアムス、ピアニストのベニー・グリーンと共に3rdアルバム「A Time In New York」を収録。2009年2月には同メンバーで全国ツアーを敢行し、好評を博しました。ニューオリンズでは、地域最大のジャズ専門ラジオ番組WWOZに出演し、カーミット・ラフィンズ、デルフィーヨ・マルサリスらと共演。セカンドラインに象徴されるストリートパフォーマンスも行い、ジャズのルーツを探求しました。

多彩な活動と音楽への情熱

2007年に自己バンドTiger, Burning Brightを結成し、国内外のステージでパフォーマンスを披露。2008年には、阪神タイガースのFUN感謝デーでオープニングアクトを務めました。また、メジャーデビュー前から「オニツカタイガー」から衣装提供を受けていたことからも、その注目度の高さが伺えます。

演奏活動の傍ら、母校であるミュージックラボで最年少インストラクターとして、後進の指導にもあたっています。ハーレムの名ドラマー、グレッグ・バンディをはじめ、ルイス・ナッシュやケニー・ワシントンなど、多くのドラマーと親交があり、ワシントンからはレッスンやアドバイスを受けています。ジャズ界以外にも、佐渡裕、古澤巌、三舩優子、東儀秀樹、CHARなど、様々なジャンルのアーティストと交流し、音楽の可能性を追求し続けています。

メディア出演と作品

「題名のない音楽会」や「ミュージックステーション」など、数多くのテレビ番組に出演。2011年には、中国中央テレビの新番組で外国人初のスタジオ収録を行いました。

リーダーアルバムとして、『TIGER!』、『Incredible TIGER-Live-』、『A Time In New York』などをリリース。Tiger, Burning Brightのアルバムも発表しています。

大我は、その若さからは想像もできないほどの才能と、ジャズへの深い愛情を持ち、世界を舞台に活躍する、これからの音楽界を担う存在です。

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