鬼武健二

鬼武健二：サッカー界の名将とJリーグの先駆者

鬼武健二（おにたけ けんじ、生年1939年9月19日）は、広島市西区天満町出身のサッカー選手であり、指導者です。彼は日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）において、第3代チェアマンとして活躍し、また、その専務理事を務めたことでも知られています。

サッカー選手としてのキャリア

広島大学附属高等学校を経て早稲田大学政治経済学部を卒業後、1962年にヤンマーディーゼル（現・ヤンマー）の社員として入社しました。現役時代には162センチの身長で、主にウィンガーとして活躍し、多くの試合で印象的なパフォーマンスを見せました。彼は大学時代の仲間、高重清純や丹羽洋介、桑田隆幸らと共にサッカー部で切磋琢磨し、成長していったことが知られています。

監督としての功績

1967年、28歳でヤンマーディーゼルの監督に就任すると、鬼武は若手選手たちを駆使し、同チームを天皇杯優勝に導きました。特に、釜本邦茂やネルソン吉村、湯口栄蔵といった選手たちとの連携によって、1970年や1974年など複数の大会で優勝を果たしました。また、鬼武の指導のもと、ヤンマーは午後練習を取り入れ、実業団サッカーの生産性向上にも寄与しています。

監督職を退任した後も、鬼武はヤンマーマリナックス社長やマリンレジャー営業部長として社業の多様な役割を果たしました。その後、Jリーグ入りを目指すヤンマーディーゼルサッカー部のサッカープロ化推進室長兼サッカー部長に就任し、セレッソ大阪の設立およびJリーグ加盟に尽力しました。1993年には「大阪サッカークラブ」を設立し、社長としてクラブの基盤を固めました。

Jリーグでの影響力

2000年からはJリーグの理事として運営に関与し、2004年には専務理事に就任しました。2006年にはチェアマンに就任し、特に14歳以下の選手の活躍の場を増やすために「Jリーグ U-14」および「Jリーグ U-13」を発足させました。鬼武はJリーグのクラブが各都道府県に2つずつ設立されるべきだと考え、拡大路線を進めました。

チェアマン時代の課題

しかし、彼のチェアマン時代には難題もありました。2007年、我那覇和樹選手に関するフェイクニュースが発表され、鬼武は無根拠なドーピング疑惑を持ち出しました。この事件はJリーグ初のドーピング冤罪事件として記録され、その後の規定にも影響を与える結果となりました。

結緒

鬼武健二は長いキャリアにおいて、選手としてだけでなく、監督や指導者として日本サッカーの発展に寄与してきました。彼の功績は、現在のサッカー界においても高く評価されており、2015年には第12回日本サッカー殿堂入りを果たしました。彼の影響力は、単なる勝利に留まらず、サッカー文化全体の発展に貢献しているのです。

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