魔技科の剣士と召喚魔王

『魔技科の剣士と召喚魔王』（まぎかのけんしとヴァシレウス）は、三原みつきによる日本のライトノベル作品。イラストはCHuNが担当し、MF文庫J（メディアファクトリー→KADOKAWA）より2013年4月から2017年8月にかけて全14巻が刊行されました。

メディアミックス展開もされており、孟倫によるコミカライズが『月刊コミックアライブ』にて2013年12月号から連載されています。また、2015年2月にはドラマCD化もされています。2025年2月時点で、コミックスの累計部数は105万部を突破しています。

あらすじ

物語の舞台は、15年前に錬金術組織「黎明の全能知（リベール・ムンディ）」が発表した賢者の石によって、人類が魔法の力に目覚めた世界。人々の深層心理の奥底、心の門（ゲート・イド）の先にある「歪界（アストルム）」には、人格を持つ意識体「神魔（ディーヴァ）」が存在し、彼らと契約することで召喚魔法を得られるようになったことで、世界の軍事バランスは大きく変化します。各国は警察組織や軍隊を、剣と魔法を駆使する騎士団へと再編しました。

そんな世界で、本来は女性にしか現れないはずの、神魔が力を貸すと認めた証「謎痕（エニグマ）」を持つ少年、林崎一樹。剣士としての修行を積んできた彼が、騎士学院の魔技科に入学するところから物語は始まります。

主要登場人物

日本

日本は、ソロモン72柱との契約が中心となっている国です。本来は日本神話の神魔との契約が主流となるはずでしたが、日本神話の神魔が人間への干渉を積極的に行わなかったため、ソロモン72柱が中心となりました。ソロモン72柱は信仰を要求しなかったため、アメリカと同様に機械文明を維持し、魔法、錬金術、機械技術の複合によって安定した裕福な国家となっています。

林崎一樹（はやしざきかずき）

本作の主人公。15歳の少年で、魔技科の1年生にして総生徒会長という立場です。出生不明の孤児であり、5年前に林崎家に引き取られて以来、林崎流剣術の修行に励んできました。本来女性にしか現れない謎痕を持つことが判明し、騎士学院の魔技科に入学することになります。契約した神魔は、ソロモン72柱を統べる存在であるレメゲトン。彼はソロモン72柱の契約者たちをまとめる王（ヴァシレウス）としての運命を背負い、数々の試練に立ち向かいます。

レメゲトン

一樹が契約した神魔。通称はレメ。契約直後から、必要に応じて歪界から実体化した姿で現れることができます。当初は力と記憶の大半を失っており、幼女の姿をしていましたが、一樹の成長とともに外見も変化していきます。

天咲美桜（あまさきみお）

本作のメインヒロインの一人。一樹の同級生で、金髪のツインテールが特徴的な美少女。実は、一樹と同じ児童養護施設で育った幼馴染です。魔法の名門である天咲家に引き取られ、魔法の才能を開花させました。契約神魔はフェニックスで、炎系の魔法を操ります。

音無輝夜（おとなしかぐや）

本作のメインヒロインの一人。魔技科の2年生で、魔技科生徒会長を務めています。ストレートの黒髪とモデルのような体型を持つ美少女で、学院最強の聖痕魔法使いとして知られています。契約神魔はアスモデウスで、強大な魔力を誇ります。

氷灯小雪（ひあかりこゆき）

本作のメインヒロインの一人。一樹の同級生で、銀色のショートカットと雪のように白い肌を持つエルフの少女。クールであまり感情を表に出さない性格ですが、強力な魔力を持っています。契約神魔はウェパールで、氷と水の魔法を操ります。

シャルロッテ・リーベンフラウ

通称ロッテ。本作のメインヒロインの一人。14歳。金髪碧眼の北欧系美少女。飛び級で一樹のクラスに編入してきた。実はセーンムンド公国の姫。

星風光（ほしかぜひかる）

本作のメインヒロインの一人。魔技科の2年生で、魔技科副生徒会長を務めています。黒髪のショートカットで、すらりとした体躯を持つ中性的な外見の少女。男性恐怖症で、男子との会話が苦手です。契約神魔はバールゼブルで、雷や風、星や天候の魔法を操ります。

林崎鼎（はやしざきかなえ）

本作のヒロインの一人。剣技科の2年生で、剣技科生徒会長を務めています。黒髪のポニーテールが特徴的な小柄な少女。一樹の義妹であり、重度のブラコンです。

塚原一羽（つかはらかずは）

本作のヒロインの一人。剣技科の2年生。学院には隠して日本神話の神魔フツヌシノカミと契約している。

大和

日本をソロモン72柱と聖痕魔法使いの支配から解放し、正当な日本神話による統治を目指す国家。

愛洲移香斎秀忠（あいすいこうさいひでただ）

『出雲王』。日本神話のスサノオノミコトの契約者。一樹に勝つことに執着して強さを求め、ライバルとして認識するようになる。王の権能は『簒奪』で、倒した王の権能を奪い取るというもの。

その他

響希（ひびき）

「ゼロの騎士」と呼ばれる最初期の騎士の一人で、林崎一樹の実母。日本神話の『倭国王』と『ソロモン王』の2つの王の資質を持った唯一の人間。

林崎迅介（はやしざきじんすけ）

林崎鼎の実父で、林崎一樹の義父。林崎流剣術の継承者で、魔力が誕生した世界に対応した剣術に改良し、一樹と鼎に伝授した。

用語

謎痕（エニグマ）

ソロモン72柱の神魔が、力を貸すに相応しいと認めた14歳の女子に与える紋様。謎痕を得た者は、国立騎士学院への入学が義務付けられる。

聖痕（スティグマ）

謎痕を与えた神魔との契約に成功すると、謎痕は聖痕へと変化する。聖痕魔法使いは、神魔の力を召喚魔法で行使することができる。

神魔（ディーヴァ）

人類の深層心理の奥底にある「心の門（ゲート・イド）」を超えた先にある「歪界（アストルム）」に存在する、人格を持った意識体。神話や伝承に登場する神や悪魔と同じ姿、名前を持っている。

魔導礼装（デコルテ・オブリージュ）

神魔が契約者に授ける戦闘衣。神魔の姿や特徴が反映されたデザインで、露出度が高いものが多い。

騎士団

魔法が台頭したことで姿を変えた警察や自衛隊。騎士学院の卒業生が編入され、違法魔法使いの鎮圧、悪性怪異や魔境の対処などを行う。

国立騎士学院カリアティド

日本政府が設立した騎士団員の養成学校。魔技科（聖痕魔法使い養成）と剣技科（剣士養成）に分かれている。

* 神話大戦（ラグナロク）

世界の支配者たる『王』が誕生した時、神話大陸アトランティスで神話達が『究極幻想』を巡って争う最終決戦。

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