魔法の剣 キャメロット

『魔法の剣 キャメロット』

概要

『魔法の剣 キャメロット』（英題：Quest for Camelot）は、1998年5月15日にアメリカ合衆国で公開されたアニメーション映画です。この作品はワーナー・ブラザース・アニメーションの初の劇場用長編アニメとされ、日本では同年11月14日に上映されました。物語は有名な伝説『アーサー王伝説』を元にし、主人公の少女ケイリーがキャメロットの平和を取り戻すために冒険に出る様子が描かれています。

ストーリー

アーサー王が治める王国は、円卓の騎士たちによって平和に統治されていました。その中でも、ライオネル卿はアーサー王の信頼を厚く受けている騎士でした。彼は自らの娘ケイリーにアーサー王とその騎士たちの偉大さについて語り、ケイリーは彼らに憧れながら成長していきました。騎士になることが彼女の夢でしたが、運命のいたずらが彼女を待っていました。

ある日、陰謀を巡らせた騎士ルーバーがキャメロットに襲いかかり、アーサー王を暗殺しようとします。この騒動の中、ライオネルはアーサー王を守ろうとして命を落とします。ケイリーは深い悲しみに包まれながらも、騎士への夢を捨てることはありませんでした。

次第に、反逆者となったルーバーは王座と名剣エクスカリバーを狙い、魔獣グリフィンを使ってキャメロットを攻撃します。彼はエクスカリバーを奪いますが、キャメロットの魔法使いマーリンが送り出したハヤブサ・エイデンの攻撃を受け、グリフィンは剣を「禁断の森」へ落としてしまいます。

ケイリーは失われた剣を取り戻すため、危険な「禁断の森」へ向かうことを決意します。そこで出会ったのは盲目の青年ギャレット。彼はケイリーにとって大切な仲間となり、二人は共に剣を探す冒険に出発します。また、彼らは双頭のドラゴン・デボンとコーンウェル、そしてルーバーによって作り出された奇妙な生物ブレイドビークとも出会います。彼らとの出会いが、冒険に一層の深みを与えます。

声の出演

声優陣には石井康嗣、石井隆夫、落合るみなどが名を連ね、日本語版制作には多くのスタッフが関与しました。スーパーバイザーにはジャック・バロー、演出は松岡裕紀が担当しました。

受賞歴

この映画の主題歌「The Prayer」は、1998年のゴールデングローブ賞とアカデミー賞にノミネートされ、注目を浴びました。しかし、映画そのものは批評家から否定的な評価を受け、北米での公開週末での収入は605万ドルにとどまり、最終的には2271万ドルの収入を得ました。結果、製作スタジオは4000万ドルの損失を被ることとなりました。

ゲーム化

映画公開後、1998年12月にはゲームボーイカラー用のアクション・ロールプレイングゲームが登場しました。このゲームは2023年9月からNintendo Switchでもプレイ可能になり、再評価されるきっかけとなっています。

結論

『魔法の剣 キャメロット』は、その特異なストーリーとキャラクターの魅力を通じて、古典的なアーサー王伝説を新たに語り直しました。映画は発売当初の興行的成功には恵まれませんでしたが、鑑賞者の心に残る冒険物語として、今もなお多くのファンに親しまれています。

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