魔物語 (アルバム)

『魔物語』（原題：Never for Ever）は、1980年9月8日にリリースされたケイト・ブッシュの3枚目のアルバムです。このアルバムは、全英アルバムチャートで第1位を獲得し、イギリスの女性アーティストとして初の快挙を成し遂げた作品として知られています。

それまでの2枚のアルバムは、クラシック音楽やプログレッシブ・ロックの影響を強く受けたアコースティックなサウンドが特徴でしたが、本作では、フェアライトCMIをはじめとする電子楽器が積極的に導入され、より多様で実験的なサウンドスケープが展開されています。この変化は、ケイト・ブッシュの音楽性の新たな方向性を示すものであり、彼女の創造性の幅広さを印象付けました。

また、『魔物語』は、ケイト・ブッシュ自身がジョン・ケリーと共に初めてプロデュースを手掛けたアルバムでもあります。これにより、彼女は自身の音楽に対するより深いコントロールを手に入れ、よりパーソナルでアーティスティックな作品を作り上げることが可能になりました。

2018年には、このアルバムを含むケイト・ブッシュの全音源が、彼女自身とジェームス・ガスリーによるリマスターで再発売され、より高音質で楽しむことができるようになりました。

収録曲は以下の通りです。

1. バブーシュカ - "Babooshka"
2. ディーリアス（夏の歌） - "Delius (Song of Summer)"
3. 死者たち - "Blow Away (For Bill)"
4. わずかな真実 - "All We Ever Look For"
5. エジプト - "Egypt"
6. ウエディング・リスト - "The Wedding List"
7. バイオリン - "Violin"
8. 少年の口づけ - "The Infant Kiss"
9. 木の精は夜の香り - "Night Scented Stock"
10. 夢みる兵士 - "Army Dreamers"
11. 呼吸 - "Breathing"

『魔物語』は、ケイト・ブッシュの音楽キャリアにおいて重要なターニングポイントとなった作品であり、彼女の芸術的な才能と革新的な精神を象徴するアルバムとして、今もなお多くの音楽ファンに愛され続けています。

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