魚住昭

魚住 昭（うおずみ あきら）

魚住昭は1951年10月25日生まれの日本のフリージャーナリストで、ノンフィクション作家としても知られています。熊本県の八代郡鏡町に生まれ育ち、熊本大学教育学部付属中学校から熊本県立熊本高等学校に進学しました。在学中はテニス部に所属し、国体やインターハイに出場。高校3年生の時にはシングルスでベスト16入りを果たしました。

その後、一橋大学法学部に入学しましたが、大学時代は卒業論文を提出せずに1年留年してしまいます。この間、読書やパチンコを楽しむ日々を送りました。大学では多くの友人と出会い、その中には元京都大学教授の山室信一や、検察官の鈴木和宏、為替トレーダーで参議院議員の藤巻健史などがいました。

1975年1月、魚住は大学の掲示板で共同通信社の臨時記者募集を見つけ、応募することにしました。競争が比較的少ないと感じたこのチャンスに飛びつき、見事に採用試験に合格しました。彼は同年に一橋大学を卒業し、共同通信社に入社します。

彼のキャリアの初めは立川支局での新人記者から始まり、その後は岡山支局、大阪支社社会部、そして東京本社社会部で司法記者として活躍しました。彼は東京地検特捜部やリクルート事件などの取材を行い、その経験を積み重ねました。しかし、1980年代の後半に社内の雰囲気が変わり、経営効率が重視されるようになった影響で、仕事が厳しくなっていきました。

当時、魚住は権力に迎合するばかりの上層部の姿勢に失望し、次第に出社する回数も減らし、テニスクラブに通う日々を過ごしました。その後、1993年からは自身の興味を持ったテーマを選び、活動を再開しました。特に1994年には、共同通信の戦後50年企画を通じて瀬島龍三に関する70回の長期連載を担当しました。この新しい活動によって、彼は再び journalism の道を歩み続けました。

1996年には、共同通信社の京都支局でデスクとして勤務していますが、社内方針との対立が続きました。彼は取材を重視するあまり、同年の8月に共同通信社を退社し、フリーライターとしての道を歩み始めます。退社後、魚住は渡邉恒雄の評伝取材を開始し、その成果が『沈黙のファイル -瀬島龍三とは何だったのか-』としてまとめられ、日本推理作家協会賞を受賞しました。

1999年からは『月刊現代』で渡邉の評伝を連載し、2004年には『野中広務 差別と権力』によって講談社ノンフィクション賞を受賞しました。2006年からは佐藤優や宮崎学と共に「フォーラム神保町」のメディア勉強会を運営しています。

魚住は2010年、尖閣諸島における中国漁船衝突の映像流出事件に関しても発言し、国家の機密や義憤に絡んだ見解を示しました。また、2014年からは城山三郎賞の選考委員を務め、2017年からは講談社ノンフィクション賞の選考委員に就任しています。

魚住昭は、数多くの著作を通じてジャーナリズムの重要性と社会の裏側に迫る姿勢を貫いています。その活動と業績は、日本の出版界やメディアにおける重要な指針となっています。

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