魚成親能

魚成親能は、戦国時代に伊予国（現在の愛媛県）で活躍した武将です。彼は西園寺氏の家臣であり、竜ヶ森城を居城としていました。魚成氏は、西園寺十五将の一人として知られ、その家系は平氏の末裔と伝えられています。

魚成氏のルーツは、室町時代から戦国時代にかけて宇和郡魚成を拠点としていた在地領主でした。彼らはそれぞれ山城や館を構え、南予を支配する西園寺氏の配下十八将として勢力を持ちました。しかし、在地領主としての独立性も高く、独自の勢力圏を築いていました。

魚成氏が本拠とした隆が森城（現在の竜ヶ森城）は、彼らの勢力を象徴する重要な拠点でした。しかし、戦国時代末期になると、土佐の長宗我部元親が四国統一を目指し、南予各地に侵攻するようになります。これにより、魚成氏を含む小領主たちは、西園寺氏と長宗我部氏の間で板挟みとなり、対応に苦慮することになります。

石高の少ない北之川氏や魚成氏は、長宗我部氏の度重なる侵攻を受け、その都度対応を迫られました。最終的に、魚成親能は西園寺氏に与し、長宗我部氏に対して敢闘します。しかし、1573年、長宗我部元親による攻撃を受け、竜ヶ森城は落城し、魚成氏はその勢力を失うこととなりました。

魚成親能の生涯は、戦国時代の地方領主の苦悩と、大勢力に翻弄される姿を物語っています。彼の奮戦は、愛媛県の歴史に深く刻まれ、今も語り継がれています。

愛媛県生涯学習センターデータベース『えひめの記憶』も参照ください。

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