鮎貝八幡宮

鮎貝八幡宮

鮎貝八幡宮（あゆかいはちまんぐう）は、山形県西置賜郡白鷹町に位置する神社で、古くから地域の神として信仰を集めてきました。主祭神には応神天皇（八幡神）が祀られており、倉稲魂命（稲荷神）も併せて祀られています。この神社は、県社としての歴史を持ち、現在では神社本庁の別表神社に位置付けられています。

歴史の概観

鮎貝八幡宮の創建は、康平3年（1060年）に遡ります。この年、鎮守府将軍であった源義家がこの地に降り立ち、八幡神を勧請したとされています。神社の社地は、義家が神体として錦旗を定めたことによって選ばれ、以来、この地には神社が建立されてきました。江戸時代には、領主であった上杉氏の祈願所としても知られ、周辺の18か村の総鎮守として厚く信仰を受けていました。

明治31年（1898年）には、鮎貝城本丸跡に社殿が移築され、遷座が行われました。そして、2年後の明治33年（1900年）には、近隣の八幡森にあった稲荷社が合祀され、現在の形へと整いました。

文化財と伝統

鮎貝八幡宮には、山形県指定の文化財である本殿があります。本殿は天保14年（1843年）に建築されたもので、明治31年には鮎貝城本丸跡に移転されました。また、白鷹町の無形文化財には「七五三獅子舞」という独特の祭りがあり、これは地域の伝統文化の一環として大切にされています。

祭事と地域の伝承

鮎貝八幡宮では、毎年10月10日に例大祭が行われ、その際には「七五三獅子舞」が奉納されます。この獅子舞は、特に「七進五退三転」という独自の足運びが特徴で、その名の由来にもなっています。地域の「七五三の舞」の元祖とされるこの祭りは、置賜地方に広がる文化の象徴でもあります。

近年では、例大祭が直近の日曜日に行われることもあり、多くの人々が足を運び、この伝統を見守っています。鮎貝八幡宮は、単なる神社でなく、地域社会の結びつきや伝承を反映する重要な場所となっています。ことで、神社を訪れる人々は、その歴史や文化の深さを知り、地域とのつながりを感じながら特別なひとときを過ごすことができるでしょう。

もう一度検索