鮒子田寛

鮒子田 寛（ふしだ ひろし）について

鮒子田寛（1946年3月10日生まれ）は、日本の元レーシングドライバーであり、日本人初のF1およびル・マン24時間レースに参加したことで著名です。彼は、海外のレースに挑戦するパイオニアとしての評価も高く、現在は童夢顧問や日本自動車レース工業会の顧問として、レース業界に関与しています。

経歴のスタート

彼のレーシングキャリアは、同志社大学在学中の1964年頃に始まりました。友人たちと共にホンダ・S600を駆り、鈴鹿サーキットでのスポーツ走行を楽しんでいた彼は、そこで浮谷東次郎との出会いを果たします。この経験が、彼の後のキャリアに大きな影響を与えました。

ホンダとトヨタでの活躍

鮒子田は1965年にホンダの契約ドライバーに選ばれ、S600でレースに参加しました。その翌年、20歳という若さでトヨタ自工ワークスのドライバーとして活動を開始し、72時間スピードトライアルに挑戦し16記録を樹立しました。この成果を背景に、1600GTや2000GTを駆り耐久レースなどで好成績を収め、日本グランプリや日本Can-Amなどのビッグレースでも優勝しました。

海外挑戦とF1、ル・マン

1970年には、アメリカに渡りフォーミュラAレースに参加。その後もTrans-Amシリーズに挑戦しましたが、事故により重傷を負い帰国しました。1972年からは富士グランチャンピオンレースに参戦し、年間チャンピオンに輝く栄誉を手にしました。

1975年、鮒子田はF1イギリスGP及びオランダGPにマキ・フォードでエントリーしますが、共に予選落ちとなりました。彼は1994年には日本人初のル・マン24時間レースに出場しましたが、マシントラブルによって完走は叶いませんでした。

引退後のキャリア

1975年にはオーストラリアのバサースト1000kmレースで日本人初の総合5位とクラス優勝を成し遂げた鮒子田は、1981年に現役を引退しました。その後は一時家業に専念した時期もありましたが、1986年に童夢に加わります。その後は様々な役割を経て1992年にイギリスに渡り、トムスGBの社長として重要なプロジェクトを指揮しました。

オーストラリアでの成功とともに、彼は2003年にはベントレーのル・マンレース車両開発責任者としても働き、2003年ル・マン24時間レース制覇にまで貢献しました。

その後日本に帰国し、さまざまなレース活動に関与しましたが、2012年には童夢の2代目代表取締役社長に就任しました。2015年には副社長に降格し、2017年時点では顧問として活動しています。

現在の取り組み

現在、鮒子田は日本自動車レース工業会の顧問として、国内レース界の発展に向けた活動を行っています。彼の幅広い経験と活動が、今後の日本のモータースポーツ界においても重要な役割を果たすことが期待されています。

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