鳥の詩 (Liaの曲)

鳥の詩 (とりのうた)

「鳥の詩」は、2000年にKeyから発売されたゲーム『AIR』の主題歌で、歌手Liaによるこの曲は、彼女の実質的なデビュー曲として位置づけられています。この楽曲は、Lost Witnessの「Red Sun Rising」を元にしており、その美しいメロディと歌詞が、多くのファンの心をつかみました。

この曲は家庭用ゲーム機への移植版やテレビアニメ化でも主題歌として使用されており、特にテレビ版では約1分半に編集されたバージョンが放送されました。その後、ブルーレイディスクでの発売時には、オリジナルの歌詞に基づいたオープニングバージョンが新たに作成され、高画質で特典として収録されました。なお、録音はアメリカ・ロサンゼルスのパラマウントスタジオで行われ、話題を呼びました。

「鳥の詩」のショートバージョンは、ゲーム発売に先駆けて同年7月に、I'veのコンピレーションアルバム『verge』に先行収録されています。また、2000年12月には、アダルトゲーム専門誌『PUSH!!』の2001年2月号に、フルバージョンのMP3データと楽譜が付属されていました。この楽曲と同じ制作メンバーによって、ゲーム『智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜』のオープニングテーマ「Light colors」も制作され、メロディが意識されています。

ゲームのヒットに伴い、「鳥の詩」はニコニコ動画やYouTubeなどで広まり、多くのユーザーに親しまれることとなりました。これにより、Liaの名前も次第に知られるようになりました。

リミックスとコラボ

2009年時点で、「鳥の詩」はさまざまなリミックスが存在します。オフボーカルバージョンや、Lia名義の編曲、他アーティストによるリミックスなどが収録され、その多様性によってファンの支持を集めています。また、折戸伸治がプロデュースするバンド「WORK-S」のアルバムや、VOCALOIDIAを使ったデータ収録など、多様なメディアでの展開も見られます。

有名なカバーアーティストたちもこの曲を手掛けており、霜月はるか、遠藤正明、高垣楓など、様々な歌手によるバージョンが収録されたCDが発表されています。また、アイドル育成ゲーム『THE IDOLM@STER』内でもカバーされ、人気キャラクターによっても歌われています。さらに、テレビ番組やラジオ番組でも多く取り上げられ、この曲の認知度を一層高めています。

批評の声

「鳥の詩」はその音楽的な完成度から、「国歌」とも称されることがあります。音楽レビューでも高く評価されており、その壮大さと緻密なアレンジについて絶賛されています。特に、2008年にはゲームソングやアニメソングの中で最も優れた楽曲の一つと位置づけられ、リスナーに強い印象を与えました。

また、2019年にはソニーミュージックエンタテインメントが実施した「平成アニソン大賞」のユーザー投票賞に選ばれ、広く愛され続けていることが証明されました。

著作権とトラブル

著作権に関しては、「鳥の詩」はJASRACに登録されていないため、使用する際は権利者からの許可が必要です。非営利目的のファン活動としては許可される場合もありますが商業目的での使用に関しては厳格な規制があります。さらに2005年には他アーティストの楽曲との盗作疑惑が取り沙汰され、問題となった事例もあり、今なおその影響が残っています。

このように、「鳥の詩」は音楽界のみならず、ファンの間でも根強い人気を持ち、アニメやゲームの文化を象徴する重要な楽曲であると言えます。

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