鳥井道夫

鳥井道夫：サントリー発展に貢献した実業家

鳥井道夫氏は、日本の実業家として、そしてサントリー発展に大きく貢献した人物として知られています。1923年、兵庫県でサントリー創業者である鳥井信治郎氏の三男として誕生しました。

父の影響を受け、鳥井道夫氏は幼少期から事業の世界に触れて育ちました。1947年に京都帝国大学経済学部を卒業後、1949年には壽屋（現サントリー）に入社。その後、着実にキャリアを積み重ね、1951年には取締役、1973年には副社長に就任しました。

サントリー副社長としての在任中は、企業の成長に尽力。経営手腕だけでなく、幅広い人脈を築き、関西財界においても重要な役割を果たしました。1990年にはサントリー副会長に就任し、1991年までその職務に就きました。その後、2001年にはサントリー名誉会長に就任し、長年にわたる貢献が認められました。

企業活動に加え、鳥井道夫氏は様々な社会活動にも積極的に携わっていました。1957年には財団法人大阪ユースホステル協会会長、1973年には社団法人日本マーケティング協会会長を歴任。1984年には関西経済同友会代表幹事を務め、1986年までその役割を担いました。また、1991年には社団法人日本ゴルフトーナメント振興協会理事長にも就任しています。これらの活動を通して、日本の経済界や社会の発展に貢献しました。

私生活では、日本生命第5代社長の弘世現氏の娘と結婚。長男には、サントリー副社長、そして3代目マスターブレンダーを務める鳥井信吾氏がいます。

鳥井道夫氏は、1923年生まれの仲間たちと「いのしし会」という親睦団体を結成。京都近鉄百貨店社長の若林誠郎氏、メルボ紳士服オーナーの清水貞夫氏、大阪マルビル会長の吉本晴彦氏など、関西を代表する実業家や、祇園・先斗町の元芸妓など、多様なメンバーで構成されていました。酒を酌み交わし、人生を語り合うなど、親密な交流を深めていました。

晩年は龍谷大学経済学部客員教授として、後進の育成にも尽力しました。2011年2月6日、肺炎のため88歳で神戸市灘区の病院で亡くなりました。

鳥井道夫氏は、サントリーの成長を支えただけでなく、関西経済界に大きな影響を与えた人物でした。「いのしし会」での交流からもわかるように、人との繋がりを大切にし、幅広い交友関係を築きながら、人生を全うしました。その功績は、日本の経済史に刻み込まれるでしょう。

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