鳥光宏

鳥光宏：貧困からの逆転劇、医学部から予備校講師へ

鳥光宏氏(1959年生まれ)は、駿台予備学校で古文科講師として活躍する傍ら、作家、エッセイスト、セミナー講師、そして複数の株式会社代表取締役社長という多様な顔を持つ人物です。彼の歩みは、決して平坦なものではありませんでした。

極貧の幼少期と人生の転機

東京都墨田区で生まれた鳥光氏は、幼少期を極貧の中で過ごしました。両親の相次ぐ入院により、電気・ガス・水道が止められる生活を強いられ、祖母に育てられながら4人の弟妹の面倒を見る日々。それでも高校を卒業後、彼は大手書店に就職しますが、現状への不満と強い危機感から、人生を変える決意をします。

社会人3年目、新聞奨学生制度を知った鳥光氏は新聞販売店に勤務しながら猛勉強。見事、琉球大学医学部保健学科に合格します。しかし、入学金と授業料、渡航費を支払うと貯金はほとんど底をつきそうになり、親からの仕送りもない中、途方に暮れていました。友人からの奨学金制度の知らせが、彼の人生を再び大きく変えます。成績優秀だった鳥光氏は、6年間の授業料免除を受け、大学を卒業しました。

医学部から文学部へ、教育への道

医学部在学中は、指導教授が精神科医だったこともあり、心の病、特に思春期の心の問題に関心を抱くようになりました。学校教育における心の病への対策の必要性を痛感した鳥光氏は、教員免許取得のため法政大学文学部へ進学。国語科教員免許を取得し、3年間高等学校で古文を教えました。その傍ら、友人の勧めで受験した駿台予備学校の採用試験に見事合格し、予備校講師としてのキャリアをスタートさせます。

駿台予備学校での活躍と多様な活動

現在では駿台予備学校専属講師として、お茶の水校、市谷校、柏校を中心に授業を行い、医学部専門校舎である市谷校舎ではセンター古文の全講義を担当。衛星放送講座にも出演するなど、20万人以上の受講生を指導してきました。文法はもちろん、古文常識や文学的背景にもこだわった授業が特徴です。過去には河合塾や東進ハイスクールにも出講していました。

夢の実現と社会貢献

鳥光氏は幼い頃から「東南アジア・アフリカの僻地で活躍したい」という夢を持っていました。駿台予備学校講師としての仕事に加え、長期休暇を利用して東南アジアの途上国を訪問。現地の人々との交流を深め、経済的な支援を含む社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。自身の活動は「ボランティア」とは呼ばず、「義理と人情」によるものと強調しています。

著作活動とメディア出演

多数の古文参考書を出版しており、その分かりやすさと親しみやすさで多くの受験生から支持を得ています。また、琉球放送のラジオ番組『鳥光宏の熱血塾』で3年半パーソナリティを務めるなど、メディアにも積極的に出演。医学教育出版社の雑誌KOKUTAIや沖縄タイムスにもコラムを執筆するなど、多方面で活躍しています。

まとめ

鳥光宏氏の生涯は、困難を乗り越え、自身の夢を実現していく過程を示すものです。貧困の中で育ちながらも、強い意志と周りの支えによって、医学部卒業、教員、予備校講師、作家、そして社会貢献活動家として成功を収めました。彼の経験は、多くの人々に勇気を与え、人生を切り開くヒントとなるでしょう。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

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